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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/22 14:59:41

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『BEAT-LAND Live alive』

高原夏希


いよいよ始まった…俺にとって、最後となるイベント。

BEAT-LAND Live alive…

俺はその様子をモニタールームから眺めた。

紅美・華音・沙都・沙也伽のDANGERは、ほぼライヴ経験がないにも関わらず…

トップバッターとしての役割を、十分すぎるほどに務めてくれた。

幕が落ちると共に飛び跳ねたフロントの三人。

自分にもあんな頃があった…と、胸が熱くなった。

何より…四人は楽しそうだった。

華音のこんな顔は初めて見る。

俺を『なちゅ』と名付けて両手を広げて駆けて来た幼い華音が、もうこんなに大きくなったのか…と思うと感慨深い。

誰からも慕われる姉御肌の紅美と、誰をも笑顔にする愛されキャラの沙都。

それに…俺達Deep Redがアメリカに行くキッカケを作ってくれた、ダリアのマスターの姪である沙也伽。

色んな困難や苦悩を乗り越えて、よくここまで育ってくれたDANGERには…賞賛の気持ちしかない。


続いてステージに上がったのはDEEBEEだ。

デビュー当時、蛙の子は蛙…とは言われなかった。

ビジュアルだけだとか、親の七光りだとか。

俺は長い目で見据えてDEEBEEをオーディションで合格させた。

勝手な批評で潰れるようならそれまでだと思っていたが…

千寿の息子の詩生、聖子と京介の息子の彰、光史の息子でマノンの孫である希世、そして…瞳と圭司の息子…俺の孫でもある映。

四人は酷評を糧に練習を重ねた。

見た目だけとは言わせない…と、楽曲のアレンジを何度も聴いてくれと持って来た。

決してダメなわけじゃなかった。

何かが足りないだけだった。

その何かを自分達で見つけろ。と課題として放り投げたが…四人は見事にそれを克服した。

四人が見付けた物。

それは、確固たる自信。

…頼もしいバンドに育ってくれた。


そして…サプライズのステージだ。

BackPackには、ゼブラとミツグの孫がいる。

麻衣子と多香子は二人からイベントの話を聞いて、事務所にやって来た。

「あたし達、デビュー出来ないとしても…バンド活動は続けたいんです!!」

そう言った二人は真剣な目で。

それはもはやジジイなゼブラとミツグには似てないが…どこか遠い昔に出会った事がある光を放っているような気はした。

アメリカに行くと決まった時、当時付き合っていた彼女と別れるんじゃなく…結婚という選択をしたゼブラ。

売れるかどうか保証もないのに…ゼブラを信じてついて来てくれた菜々子ちゃんには頭が下がる思いだった。

渡米して事務所の近くの病院で看護婦をしていたキャシーと、お互い一目惚れで恋に落ちたミツグ。

彼女もまた…ビートランド設立によって帰国する俺達について、母国を離れてくれた勇気ある女性だ。

「おじいちゃん、身内から業界人を出したくないって言い張ってて…」

BackPackの麻衣子と多香子が言ったそれは、ゼブラとミツグからいつも聞いていた。

俺達はまぐれで成功したが…と。

夢断たれてこの世界を追いやられた人物を、多々見て来た俺達には…二人の気持ちが分からなくもない。

だが、夢を持つのは自由だ。


麻衣子と多香子がステージの上から二人にコメントをした。

曲の途中で孫たちに気付いたゼブラとミツグは、ステージの前まで行っている。

俺からは背中しか見えないが…

きっと、泣いてるんだろうな。

そして…

モニターに、ステージ袖で口を開けてそれを見ている千里が映って…笑った。

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