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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/17 22:59:35

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それから、復縁した知花と千里さんの間に子供が出来た。

…そして…さくらにも。

貴司は私に人工授精の事は言わなかった。

もしかすると…私が何か知っていると気付いたのか、さくらを受診させる病院も…変えていた。

変えても無駄な事。

もし…違法な事でもするなら、何か弱みを握っている病院を選ぶはず。

祥司さんが色々やらかしてくれていたおかげで、そういう病院もすぐに見つかった。


違うのかもしれない。

私が想像している事と、違うのかもしれない。

だけど私は…貴司が高原夏希さんに精子をお願いしているのではないかと思った。

貴司がそんな話を出来る人は…今の所、あの人だけだ。

それに…

さくらの愛した人。

さくらを、愛した人。

そしてきっと今も…想い合っている二人…


息子の妻が他の人に想いを寄せている事を、なぜか私は…好意的に思っていた。

なぜだろう…

私自身、家のための結婚で『夫婦』というものに辟易としていたからだろうか。

だが…知花と千里さんを見ていると、本当に幸せに溢れて…まるで夢のようだと思う。

こんなに身近で…

こんなに愛し合っている二人がいるなんて。


貴司を哀れに思うどころか、貴司までもがさくらや高原さんの一途さんに惹かれて憧れると言うのだから…

私達親子は、少し異常なのかもしれない。

…そんな人間がいたっていい。


それでもさくらは…桐生院に馴染んだ。

麗とも誓とも、良好な親子関係を築いていると思える。

ただ…

貴司とは…

とても仲はいいのだけど、夫婦という関係には思えない。


「高原さん、これ、どうぞ。」

せめてもの配慮で…さくらがいない時に、高原さんをうちに招く貴司。

彼はさくらと自分が会う事にはあまり気が進まないようだ。

それが当然なのだろうけど…

…私達は、二人に残酷な事をしているのだろうか…

「…いつもすみません。」

「お仕事遅くまで頑張られるのでしょう?しっかり食べて下さいね。」

私は…高原さんが来てくれるたびに、お弁当を作った。

まるで…大事な息子にそうしているように。

召し上がってくださっているかどうかは…分からないけれど。


「…煮物の味付けが、とても好みでした。」

帰り際に玄関でそう言われて、私は目を丸くした。

「まあ…嬉しいわ。そう言われると、もっと頑張ってしまいます。」

年甲斐もなく、小娘のような事を言ってしまって後悔する。

今私は…赤くなってなどいないだろうか…

「……」

高原さんは何か言いかけたようだったけど、軽く会釈をして帰って行った。


…ハルさんの息子さん。

その背中を見送りながら…

私はどこか、自分があの頃見れなかった夢を見ているような気分になった。

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