ブログランキング7

いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

  • 記事数 2405
  • 読者 652
  • 昨日のアクセス数 38518

テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/17 22:07:48

  • 73
  • 0

それからの我が家は…いい事が続いた。

麗がお習字で表彰されたり。

誓の活けたお花が品評会で優秀賞に選ばれたり。

そして…やはり大きな喜びとなったのは…

千里さんが、知花を取り戻してくれた事だ。

二人が並んで帰って来た夜は、もう心臓が止まってもいいとさえ思った。

さらには千里さんは桐生院家の婿養子になりたいと申し出て下さって…

我が家は…九人家族になった。


そんなある日…

私は、数年ぶりに貴司の担当医から連絡を受けた。

『人工授精の相談をされました。』

「……そうですか。」

そうは言っても、貴司には精子がない。

さくらは…その事を知っているのだろうか。


私は…もし貴司がそういう機関に登録をして、精子をもらう手筈をしているのなら…

どうせなら…と思った。

どうせなら…

高原さんの精子をさくらに…と。

けれどそんな事を私から言えるはずもない。

そこで私は…

押入れの奥にしまいこんでいた…ある物を取り出した。

そして…


「…珍しいですね。」

「二度目ですよ。」

貴司の会社に出向いた。

「今日は何ですか?」

向かい側に座った貴司に。

「高原さんは、快く会って下さってるの?」

私も何度か一緒に会ったが…

どうもいつも暗い顔をされてしまう。

貴司は二人で飲みに行きたいと言っていたけれど…それも実現しているのかどうか…

「…そんな事が気になってわざわざここに?」

貴司は笑った。

私もそれに笑顔を返しながら…封筒を差し出した。

「…これは?」

「開けて御覧なさい。」

貴司は封筒の中から写真を取りだして…表情を曇らせた。

「これは…」

「…勝手にごめんなさい。あなたはあまり興味がなさそうだったけど、私はずっと気になってたから…調べていたのよ。」

容子さん…許して。

「…この相手は…」

「高原さんの…お兄さんです。」

「……」

そして貴司は、麗と誓が高原陽路史氏の子供だというDNA鑑定も見て。

「…間違いないのですか…?」

顔を上げた。

「…ええ。脅迫と言われたらそれまでだけど…高原さんとお付き合いしていく中で、何か不都合があったら…」

「……」

「…使いなさい。」

ごめんなさい…容子さん。


結局私は…

私のエゴでしか生きていない事に気付いた。


私が守りたいのは…



私自身が終わる時に…

そばにいて欲しい人なのかもしれない。

同じテーマの記事

コメント0

しおりをはさむ

このページのトップへ

GIRL’S TALKにログインする

Ameba新規登録(無料)はこちら

9/22 編集部Pick up!!

  1. 育休復帰時既に妊娠3か月の同僚
  2. 子連れに謝罪され感じたこと
  3. 妻を家政婦扱いする夫に呆れた

人気ブログ記事ランキング

  1. 1

  2. 2

  3. 3