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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/17 17:09:49

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その翌日。

あまりの天気の良さに、私は少し病院の中庭を歩いた。

着物を着ているせいで、かなり目立ってしまっている。

話しかけられたりもするが、その時はゆっくりと会釈するに留まった。


知花の子供達は…とても可愛らしい。

少し小さいから保育器には入っているけれど、小さな口を大きく開けて欠伸をする様子は、つい目元をほころばせてしまう。

ここ数日の疲れも、あの愛らしさを見ればどこかへと飛び去ってしまう。

けれど…ベンチに座って、ああ…お味噌汁が飲みたい…などと、思い出したように食欲が来て。

それについて一人で小さく笑いかけてた所に…

「……」

私の思考回路が一旦停止した。

視線の先に…見覚えある姿が…

その人は、七生さんと談笑しながら…手を振って別れた。

…なぜ…七生さんと?

見覚えある姿は…高原陽路史さんだった。

そう言えば、アメリカと日本を行き来していると聞いた。

もしかしたら、拠点をこちらに移されたのだろうか。

それにしても、なぜ七生さんと…?


「あ、おばあさま。」

私に気付いた七生さんが笑顔で駆けて来て。

「こんにちは。」

私の隣に座った。

「こんにちは。お仕事、もう終わられたの?」

「もう、今日はみんな仕事なんてしてる場合じゃないって感じでした。」

「まあ。」

「早く知花と双子ちゃんに会いたくて。」

私はそんな七生さんに…

「…先ほどの方は?」

問いかけた。

少し…早口になってしまったような気がした。

思いがけない場所で思いがけない人を見かけたのだ…当然だ。

「ああ…伯父なんです。」

「…伯父?」

「うちの父の兄です。主にこっちで仕事をしてて…さっき事務所の前で会って送ってもらったんです。」

「…そう…」

と言う事は…

七生さんは…ハルさんのお孫さん…?


七生さん…だから…

婿養子に出した末子さんが、七生さんのお父様…?

…なんて世間は狭いのだろう。

私は色んな皮肉めいた物を感じながら、それでも今は…笑うしかないような気分だった。


「それじゃ私、双子ちゃんに会いに行って来ます。」

七生さんが、そわそわした様子で立ち上がった。

「ええ、私も後で。」

七生さんの姿を見送って、空を見上げる。

…容子さん。

あなたが想いを寄せた方は…今も元気にしていらっしゃるようですよ。

綺麗な姪御さんに手を振る姿…あなたにも見えたかしら。

私はそんな事を思いながら、少しだけ目を閉じた。

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