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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/17 13:00:36

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麗と誓は弱って行く容子さんを見て泣いた。

…嘘には思えなかった。

きっと、本当に…色々な想いがあるとしても…

二人は悲しくて泣いているんだ。

それから…間もなくして、容子さんは亡くなった。


13歳になった知花も葬儀には戻って来た。

麗と誓を労わって、そっと肩に手を掛けてやったり…時々涙ぐむ姿も見えた。


私は…三人の姿を見るたびに、胸が張り裂ける想いだった。

子供達を…酷い目に遭わせているのは、私達大人だ。

容子さんは…私が殺したも同然。

いくら知花に対して非情であっても…

こんな道を選ぶ事はなかったのに。

中岡さん達のせいにするわけではないが…あの土下座の場面を見て…私は『解放される』と思ってしまったのだ。

何から解放されるのか…それすら分からないのに…


葬儀の後、親戚がうちに集まって弔いの宴が始まった。

容子さんの親は肩を落としてはいたが…実際の所、あの人達にも手に負えない娘だったようで…

『ご迷惑をおかけしました』と、一言謝って帰って行った。


「大奥様…私…」

階段の前で、中岡さんが涙ぐんだ。

「…何ですか。まだまだ用事はたくさんあります。私達が悲しむのは明日にしましょう。」

「ですが…大奥様…聞いて下さい…」

「長井、聞こえなかったの?明日にしましょう。」

小声で、そんな会話をしていると…

「……」

ふいに、階段から誓と知花が降りてきた。

「…何ですか。」

つい、冷たい口調になってしまった。

何も…悟られてはいけない。

「あ…何か…飲み物をと思って…」

遠慮がちにそう言った知花に。

「後で持って上がります。」

私は短くそう言って背中を向けた。

…まるで、人前に出るなと言わんばかりに。


実際、知花を親戚の前に出すのは…嫌いだ。

貴司を捨てた女の娘だとか…赤毛を見てどこか病気に違いないとか、噂や妄想だけで物を言うバカな輩ばかり。

…私は、知花を守っているつもりでも…

多感な知花から見れば…人前に出すのを恥ずかしいと思われている…と。

なぜ…私は…知花の気持ちを思いやってやれなかったのだろう。


みんなの幸せを願いながら…

結局私は、みんなを不幸にしてしまっている…。

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