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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/17 11:58:44

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「あかちゃん。こっちも、あかちゃん。」

翌年の三月。

容子さんが…男女の双子を産んだ。

「かわいい!!ちはな、あかちゃんよしよししゅる!!」

新生児室の前で双子を見ながら、知花は満面の笑み。

そんな知花に癒される私と貴司がいた。


容子さんは産後の肥立ちが悪く、もうしばらく入院となり…

双子だけが私達と家に戻ったが…

とにかく、よく泣く。

昼夜問わず…泣き続ける。

「貴司…この子達、どこか悪いんじゃないのかしら…」

「赤ん坊は泣くのが仕事でしょう。」

「そうは言っても…泣き過ぎじゃないかしら…」

華穂はあまり泣かない子だった。

そして、知花も…本当に泣かない、一人で寝かしていても、気付いたら自分の足を持って笑っていたり…

手のかからない子だった。

だから、こんなに泣く子供は…しかも二人…

私は手を焼いた。

昼間は中岡さんも来てくれるが、夜は貴司と私だけ。

貴司は…泣き声が気にならないのか、起きもしない。


「おばーちゃま、ちはな、あかちゃんに、おうたうたうよ?」

私も中岡さんも、少しグッタリしてしまっている時だった。

知花がそんな事を言って、双子を前に…何かわけの分からない歌を歌い始めたのだ。

すると…なぜか双子は泣き止んだ。

「あら~、泣き止んだ。知花お嬢ちゃま、お歌上手ですよ。」

中岡さんが拍手をしながらそう言うと、知花は照れくさそうにスカートの裾を持って。

「うーちゃんと、ちーちゃん、いっぱいないたから、おなかしゅいたのかな。」

そう言って、双子の顔を覗き込んだ。

私と中岡さんは、ハッと顔を見合わせた。

こんなに泣くのだから、確かに普通の子よりエネルギーは消費する!!

二人で双子にミルクをやっている間も、知花はその様子を笑顔で見ながら。

「はやくおっきくなって、ちはなとあしょんでね?」

私と中岡さんは…そんな知花に心底癒された。

そして…私はそんな知花を見るたび…

さくらは…元気なのだろうか…と。

さくらの身を案じた。


容子さんは、麗と誓は貴司の子供だ。と言い切った。

だが、容子さんの妊娠が発覚した後に…また貴司が病院を訪れて検査をしていた事が分かった。

貴司は…容子さんの浮気を疑っている。

当然と言えば当然だ。

貴司は自分に精子がない事を知っているし…

ましてや子供も欲しくなかったのだろうから。


容子さんは麗と誓を溺愛し、知花を邪険にした。

この頃から…知花の髪の毛が茶色から赤に変わり、周りから好奇の目で見られるようになった。

せっかく入った幼稚舎も、周りからの『どうしてそんな変な色なの?』という子供ならではの罪のない正直な言葉と…

先生方からの『病院で診てもらった方が…』という遠慮がちな提案と…

「知花のせいで恥ずかしい思いをするのは私達なんですよ。」

容子さんの…容赦ない知花イジメ。

私は、知花を登園させるのをやめた。

そして…容子さんの目が届かない場所におけない物かと考えて…

インターナショナルスクールの下見に行った。

そこにはいろんな国の子達がいて、髪の色も肌の色も様々だ。

…知花を手放すのは辛いが…

容子さんを抑え付けられない貴司の不甲斐なさ…

そして…私も…

「もし貴司さんに何か言ったら…私、お義母さんから勧められて浮気したって言いますよ。」

自分のした事を…悔いた。

知花を守るはずが…孤立させてしまった。

若干7歳の知花を寮に入れて…私は遠くからその成長を見守るしかなかった。

こうして知花は桐生院の誰にも愛されていないと思いこみ…

何としても早く家を出たいと思うようになるなんて…

その時は、予想だにしなかった。

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