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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/17 00:45:59

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貴司は私の自慢の息子だ。

誇りでもある。

本当に私を労わり、大事にしてくれる息子だが…


それは、貴司が社長になって四年目の春だった。


「…貴司。あなたの言ったアメリカ土産は、コレですか。」

「母さん、そんな失礼な言い方ないでしょう。」

私はあからさまに…嫌な顔をした。

海外出張から帰って来た貴司は…予定より一日遅れて…『土産』を持って帰った。

「森崎さくらさん。結婚前提で付き合う事にしたから。」

結婚前提!?

この…私の目の前にいる…キョトンとした子供のような子と!?

「…森崎さんの前で言いたくはないですが、あなたには婚約者がいるでしょう?」

貴司にその気がないのを知っていながら、私は東海林家の娘の話を出した。

「母さん、何度も言いますが…私は婚約した覚えはないですよ?」

「あなたは仕事が面白いのかもしれませんが、桐生院がどうなってもいいと思ってるの?」

出来れば…出来れば、貴司の好きなようにさせてやりたいとは思う…

でも。

この子では…

「あのっ!!」

突然、貴司の連れて帰った『森崎さくら』さんが大声を出して、私も貴司も肩を揺らした。

「あ…あ、すいません…あの、あたし…分からないなりに、一生懸命頑張ります。」

「…何を頑張るおつもり?」

「何を…」

「まだ、高校生ぐらいじゃないの?」

「…16歳です。」

じゅ…16!?

私もその歳で結婚はしたけれど…

こんなに幼かったのだろうか。

私が16歳の時はともかく…この森崎さんは、驚くほど幼く見える。

貴司…あなたは…まさか…

幼い子が好きなのでは…


「…学校は?」

溜息交じりに問いかけると。

「通信教育で、高校卒業課程は修了しました。」

意外な返事が返って来た。

16歳で…すでに高校卒業課程を終えている…

その辺はいいとしても…

「あなた…」

「とにかく、さくらちゃんには今日からここで暮らしてもらうから。」

私が森崎さんにあれこれ尋ねようとした所で、貴司が間に入った。

そして、アクビを押し殺しながら。

「疲れたので休みます。おやすみなさい。」

私と森崎さんに頭を下げた。

「ちょ…ちょっとお待ちなさい。貴司。」

「明日にしましょう。では。」

「……」

あえて見ないようにはしていたものの…

目の前の森崎さんは、大きな目で私を見ている…

お願いします。ここに置いて下さい。と言わんばかりの目だ。


嫌味のように大きなため息をつこうとすると…

「うっ…」

突然…森崎さんが吐き気をもよおした。

バタバタと足音をたててトイレに行く姿を追った。

すぐさま私の頭の中には…まさか…まさか…と…


「貴司!!ちょっと降りて来て!!」

私は二階に向かって大声を出した。

こんな声を出したのは…いつぶりだろう。

階段を下りた貴司は、すでに寝間着姿だった。

結婚したいと思う相手を放って寝てしまうなんて、優しいと思っていたのに…なんて男だろう!!

「森崎さん…妊娠してるんじゃないの?」

「…え?」

貴司はとても驚いた。

この顔を見たのも…いつぶりぐらいだろう。


「客間に敷布団、二枚重ねて敷いてちょうだい。」

「…はい…」


私は最初…貴司が連れて来た森崎さんに…ヤキモチを妬いたのだと思う。

そして、正直…こんなちんちくりんな小娘、貴司には相応しくない、と。

だけど…もしかしたら妊娠しているかもしれないと思った瞬間…


私は…

早く…早く。

と…思った。

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コメント1

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  1. ヒカリさん(99歳)ID:6601154・6日前

    やっとさくらちゃん出たーー!
    暗く重たい話が続いてすみません。
    そしてハードな更新なのに、読みに来てくださってありがとうございます。
    相関図もグチャグチャ〜( ´Д` )
    ハルさんちの息子達…もう、てんやわんやです。

    台風が接近してる地域の皆様、お気を付けて。
    停電などの被害があった地区の皆様、早く元の生活に戻れますように…

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