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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/16 23:56:59

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それからの私は黙々と地味ではあってもひたすら働いた。

うちに住み込んでいた中岡さんが体調を崩した旦那さんと暮らす事になり、うちを出たのもこの頃だ。

毎日いてくれた人が、週に4日通う人になった。

最初はとても痛手だったが…家事が出来ないわけではない。

中岡さんが休みの日の家事のペースが掴めるまでは、仕事の量を調整して慣れるようにした。


貴司は大学でも優秀で。

夏休みの間に海外へ行ったりもして、祥司さんの会社の勉強もしているようだった。

頼もしい息子との二人での生活。

それはとても静かで穏やかで…

…何か物足りないとしたら…

明るさだったのかもしれない。


時々…華穂が生きてくれていたら…と、ふと叶わない夢を思って見たりもした。

そんな時には…広縁から庭を眺めた。

よく…あそこで貴司と華穂が桜を眺めていた…

とても仲のいい兄妹で。

あの光景が…私にはとてつもなく美しいものに見えていた。

ずっと…見ていたい光景だった。


貴司が大学を卒業する頃、東海林家から連絡があった。

娘が短大を卒業する頃には良縁となるようにしたいですね、と。

…すっかり忘れていた私は、貴司に誰か恋人はいないのかと問いかけた。

だが、貴司は今の所は。と、首をすくめるだけだった。

好きな人がいれば…その人と一緒になってもらいたい。

そう思ったのに…貴司にはその相手もいないと。

東海林家の娘はたいそうな美人だが、性格がキツイと噂を聞いていた。

貴司は優しいから…尻に敷かれてしまうのではないだろうかと思うと、決まってもいない縁談に胸を痛める日々が続いた。

本人も許嫁と結婚するのはいただけないとでも思っていたのか…

「婚約しなければいいだけの話ではないですか?」

何とも…のんきにそう言い放った。


やがて貴司は祥司さんの会社を継いだ。

社長となって…恐らく陰で文句や悪口、嫌味なども言われるだろうと思っていたが…

辻さん曰く。

「なんのなんの…驚きの対応ですよ。何事があっても、笑顔で飄々とかわされておられます。」

貴司に…そんな才能があったとは。

「その対応のおかげか…拍子抜けした社員たちは、反対に貴司さんに付くようになりました。」

「…そうですか。」

最初から苦労の連続だと思っていた私は、その言葉に少しだけホッとした。

これから幾度となく困難はやって来るだろうが…

まずは…社長就任…おめでとう、貴司。

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