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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/16 22:11:52

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祥司さんが亡くなって、ますます親戚と縁が薄くなった。

何を言われても私があまり気にしなさ過ぎるのかもしれない。

両親は体裁を気にして何かと言うと付き合いをしていたが、私は何を言われても構わない。

ただ…貴司の事を悪く言う親戚には、もう二度とうちの敷居はまたがせないと思った。


「一緒にお出かけになればよろしかったのに。」

中岡さんにはそう言われたけど、私は小さく笑って。

「母親が大学の入学式に来るなど、今時の男の子は嫌なんじゃないかしらね。」

ショールをかけ直した。

「坊ちゃまに限ってそんな事はないと思いますけど。」

中岡さんも小さく笑って言ったが…

「いいですね。貴司には内緒ですよ。」

私は、口元で指を立てた。


今日は…大学の入学式。

貴司にとっては長い四年になるのかもしれないが、私ぐらいになると…四年などあっと言う間だ。

出来れば、この晴れの日をこっそりと目に焼き付けて、私なりに…貴司の応援をしてやりたい。


高等部での貴司は、ずっといい成績で担任をも喜ばせた。

ハキハキとした明るい性格ではないが、寡黙で頭のいい男がモテないわけがない。

ましてや、貴司は華のある祥司さんの顔立ちの良さをもらっていた。

どこか憂いのある横顔に、図書館帰りに女子高生から声をかけられている姿を中岡さんが幾度となく見かけたと言っていた。

…祥司さんから、余計なものまでもらっていなければいいのだが…と、少しだけ心配した。

彼女が出来てもおかしくない年頃だが…とにかく勉強一筋だった。

いつかは…東海林家の娘との縁談が進むのかもしれないが…

貴司は、それを知っているから、特定の女性との交際を控えているのかもしれない。


今日の貴司は、新入生代表として挨拶もすると聞いている。

私は貴司の晴れ姿を見せてやりたいと思い、華穂の写真を持って…大学に向かった。

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