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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/16 17:06:50

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それから…

何の事件もなく、時が流れた。

貴司は頭のいい子で、学校では常にいい成績を保っていた。

私は声を大にして誉める事はなかったが、私より身長が低い間は…頭を撫でて『よく出来ましたね』と一言伝えていた。

そんな私の後で、中岡さんが大袈裟なぐらい誉める時には。

貴司も少し恥ずかしいのか…照れくさそうにうつむいて。

だけど喜びに唇を噛みしめている顔をしていた。


相変わらず華穂の事も可愛がってくれていた。

二人で並んで華を始めた時は、なんて可愛らしい兄妹だろう…と心底思った。

この時の私は、貴司が愛人の子供だなんて事はすっかり忘れていた。

貴司も華穂も、私の子供だ。


「お母様、華穂、お兄ちゃまの事大好き。学校でもみんながいいねって言うの。」

貴司は華穂にとって自慢の兄だった。

面倒見も良く、頭もいい。

口数は同年代の子と比べると恐ろしく少なかったと思うが、害があるわけではない。

驚くほど行儀も良く、先生方からの信頼も厚かった。

貴司を『愛人の息子』などとほざいていた親戚達も、貴司の出来の良さに口をつぐんだ。

貴司は…立派に桐生院の長男として育ってくれるはず。

祥司さんでもない…その愛人でもない。

私が立派に育て上げてみせる。


「じゃあ、華穂も貴司の妹として恥ずかしくないような女性にならなくてはね。」

まだ幼い華穂にそう言ってみた所で、何も響きはしないと分かっていても。

華穂は、貴司の名前が出ると何かと頑張った。

自分も、自慢の兄の自慢になりたい、と。

私の前ではそんなに笑わない貴司も、華穂の前では声を出して笑った。

子供同士と言うのは、罪がなくていい。

二人が庭の桜を見上げながら、何かを語る姿を広縁から見て。

私は…やっと訪れた幸せらしき物に満足していた……


…のに…。

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