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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/16 16:38:16

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両親の亡くなり方が不自然だったからか…

一気に親戚が寄り付かなくなった。

それはそれで気楽にはなったが、仕事には不都合が増えた。

『桐生院は呪われている』

噂好きな輩がそう吹いてくれたせいで、生徒さんは大きく減り、講演の依頼もなくなった。


それでも生活に困るほどではなかった。

元々テレビもラジオもない家だ。

娯楽など何もない。

早く寝て早く起きて、華を愛でて…無駄に広い庭と大きな家の掃除をしていると、一日の大半が終わる。

そんな時は、貴司が華穂をあやしてくれていた。

誰が言ったわけでもないが、貴司が進んで面倒を見てくれていた。

華穂も貴司に懐いていて、貴司が歩くとその後ろを追うように歩いていた。

「あの…」

そんな貴司が遠慮がちに言って来たのは、貴司がうちに来て半年が過ぎた頃だった。

「お母さん…と…呼んでもいいですか…?」

それまで呼び方など気にした事もなかった。

養子にとったと言うのに。

「…いいですよ。」


祥司さんはほとんど帰らなくなった。

貴司がうちに馴染んでるのを知り、安心したのかもしれない。

幼稚舎に入っていないといけない年齢だったが、貴司は家に居た。

来年からは初等部だ。

私は中岡さんと一緒に、貴司に読み書きを教える事にした。

貴司は頭のいい子で、私達が教えるそれらをすぐに吸収した。

正直、六歳で字も書けない事に驚いたし…祥司さんの選んだ愛人のレベルの低さに腹が立った。

だが、貴司はカラカラに渇いたスポンジが水を吸うかの如く、色んな事をすぐに覚えた。

そんな貴司を…愛しいと思う私がいた。

貴司は…母親に捨てられた。

立場は違えど…私は自分をそこに見ているような気がしていたのかもしれない。

…一人ぼっちだと思っていた頃の私を。

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