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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/16 12:39:10

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「……」

本を…借りて一週間。

私は、それを持ってホテルの前に立っている。

受付の人に返しておいて下さいと頼む手もあるが…

私は、気付いた。

ハルさんの名字を知らない事に。


部屋まで持って行って…もし会ってしまったら…

…ああ…私、なんであんな事言ってしまったんだろう…

抱いて…だなんて…


だけど、ハルさんの腕の中にいて…自然とそんな気持ちになった。

思い出すと恥ずかしくてたまらないと同時に…胸がしめつけられる思いだ。


小さく溜息をついて、やっぱり帰ろう…と向きを変えようとした瞬間…

「っ!!」

驚いて声が出なかった。

突然、誰かに腕を掴まれて…そのまま走るようにしてエレベーターに連れて乗せられた。

「……」

丸い目をして見上げた先には…ハルさんがいた。

私を見下ろして…

掴んだままだった腕をグイ、と引き寄せて…私を抱きしめた。

「え…あ…あの…」

「雅乃ちゃん。」

「は…はい…」

戸惑いと…だけど…きっと喜びの方が大きかった。

ハルさんは私の頬を両手で包むと…唇を重ねてきた。

「……」

私の手から…小説が落ちた。

ハルさんは…既婚者なのに…

子供だっているのに…

私は…来年結婚するのに…

どうして…?


そのくちづけは…優しくはなかった。

荒々しくて…息が出来なくなった。

ハルさんは、私の頭を強く引き寄せて…何度も何度も…くちづけをした。


やがてエレベーターが開いて、ハルさんは私の手を握って落ちた小説を拾って歩き始めた。

私は…何の言葉も出せないまま…ハルさんの背中を見ていた。

私…今…この人と…

ダメだと思いながらも、舞い上がった。

それはもう…

この人の事を…好きなのだと…

愛してしまったと…

認めた瞬間でもあった。

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