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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/16 11:35:28

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「…ハルさん…」

私が意を決して顔を上げると。

「あった。」

ハルさんは本棚の二段目から一冊の本を取り出して。

「これ、雅乃ちゃんの好みに合うかどうか分からないけど…」

私に差し出した。

「…ありがとうございます…」

「…看護婦…なれるといいね。」

「……無理ですよ。」

何だか…泣きたくなった。

私は…夢を見る事も許されないなんて。

「…私は、家のために…もう…決まってる事で…」

うつむいてそう言うと…ハルさんが私の肩を抱き寄せた。

「!!!!!」

驚いてハルさんの胸の中で…目を見開く。

ど…どうしよう…

こんなにドキドキして…

嫌だ!!

「…本当になりたいなら、ちゃんと言ってみたら?」

「そ…そんな事…」

「家のための結婚なんて…もう古いよ。」

「…は…ハルさんだって…そうなんでしょう?」

「…まあ、そうだけどさ。だからこそ、そう思うよ。夢があるなら…って。」

「……」

優しく頭を撫でられて…私の思考回路は…おかしくなった。

「…いつも…誰にでも…こんな事?」

ハルさんの胸でつぶやくと。

「そんなわけない。気にならない子にまで優しくする度量はないよ。」

ハルさんは、サラッとそう言った。

「…あちこちに…彼女がいるの?」

「あちこちとまでは言わないけど、そこそこにはいるかな。」

「…浮気者…」

「妻公認だよ。」

「…公認?」

さすがに…驚いて顔を上げた。

「ああ。」

「…どうして?」

「家のための結婚だって言っただろ?うまくやっていくために…お互いの恋路は…邪魔しない…」

唇が…近付いた。

この人は…私が来年結婚すると知っても…平気でこんな事をする人。

結婚しているのに…恋をすると断言するような人…

…ろくでなしだ。

ハルさんも、祥司さんも。


だけど…

なぜか…

「…抱いて…」

私は、祥司さんより。

この人に先に抱かれたいと思った。


ハルさんの背中に手を回した。

唇が近付いて、私は目を閉じたけど…ハルさんは、それを私の唇にではなく…額に落とした。

「……」

複雑な気持ちで目を開けた。

私は…てっきり…

「雅乃ちゃん…可愛い子だね…」

ハルさんはそう言って私の前髪をかきあげたけど…

私には、羞恥心しか湧かなくて。

「…失礼します!!」

椅子に置いていた鞄を手にして、部屋を駆け出した。

…なんて事…

なんて事!!

私…許嫁がいるのに…

抱いて…だなんて!!

当たり前に、くちづけされると思ってたなんて!!

「っ…は…っ…」

エレベーターに一人で乗る勇気がなくて。

私は、階段を選んだ。

そして…泣きながら、一段ずつ重い気持ちで踏みしめて降りた。

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