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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/16 11:01:54

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「雅乃ちゃん。」

亜津子ちゃんが亡くなって一ヶ月が過ぎた頃。

私は学校帰りに呼び止められた。

振り返ると…見覚えのない車の運転席から…

「…ハルさん。」

ドキドキして、声が上ずった。

「よく…後姿で私だって分かりましたね。」

カバンを抱きしめながらそう言うと。

「何でかな。一目で分かったよ。」

ハルさんは、ニッコリと笑った。

「帰り?送って行こうか?」

ハルさんが車から降りて、そう言ってくれたけど…

許嫁のある身で…違う男性の車に乗る事に抵抗があった私は…

「いえ…寄り道もしたいので…」

つい、そんな事を言ってしまった。

「寄り道?どこに?」

「え…えっと…少し…公園で本でも読もうかと…」

「……」

私の下手な嘘は、きっとバレてしまったのだと思う。

ハルさんはしばらく無言で私を見ていたようだけど。

「でも、今からだと風が冷たくなるよ。本が読みたいなら、いい場所に連れて行ってあげよう。」

そう言って、私の腕を掴んだ。

「え…えっ?」

有無を言わさず車に乗せられて。

「大丈夫。絶対気に入るから。」

途方に暮れている間に車がたどり着いたのは…近年出来たホテルだった。

口を開けてそれを見上げていると。

「ここにね、隠れ家があるんだよ。」

ハルさんはそう言って笑って…私の背中を押してエレベーターに乗った。

エレベーター自体…あまり乗った事のない私は、少し酔いそうになって…ハルさんに寄りかかってしまった。

なんなんだろう…

この…

夢のような展開は…。


ハルさんに案内されたのは、外国の写真から抜け出たような部屋だった。

そこに、大きな本棚が並んで…

「すごい!!」

つい、大きな声を出して本棚の前に駆け寄ってしまうと。

「喜んでもらえて嬉しいな。」

ハルさんは、腕組みをして…ドアの前で笑った。

「あ…大きな声を出して…すいません…」

慌てて口を押えてみたものの…ハルさんはクスクスと笑って私に近付いて。

「どんな本が好きなの?」

腰に手を当てて、本棚を眺めた。

「…医学を主体とした小説はありますか?」

ハルさんを見上げて問いかける。

…ハルさんは、祥司さんほど派手な華やかさはないけど…背が高くて…整った顔をしてる。

「医学を主体とした小説…ああ、あるよ。何、医学に興味があるの?」

「…看護婦になりたかったんです。」

「なりたかった?今から目指しちゃいけないの?」

「…私…来年結婚するので…」

「……」

無言のハルさんの隣で…

私は、色んな事を考えてしまった。

祥司さんが女の人と肩を組んで歩いていたのを見て、嫌悪感に襲われたはずなのに…

私は…既婚者で…子供もいるハルさんに…恋心を抱いている。

……連れ去られたい。

この人に…

連れ去られたい。

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