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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/16 09:36:27

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「…うちの姉も…許嫁と結婚したけど…」

亜津子ちゃんは溜息交じりに言った。

そうだ…

亜津子ちゃんには、歳の離れたお姉さんがいて。

ビックリするような美人ではないけど…頭が良くて…確か、大きな会社の跡取りの所にお嫁に行ったんだっけ…

『家同士のための結婚』は珍しい事じゃないけど…

亜津子ちゃんが言うには、大きな会社の跡取りだけど、次々に起業してお姉さんは常に苦労をしているそうだ。

お姉さんなら、お父様がお勤めの銀行でも引く手あまただっただろうに。


「お姉さん、子供さんいらっしゃるんだっけ。」

「ええ。今6歳よ。」

「何歳で結婚されたの?」

「18で結婚して19で産んだわ。」

「そう…」


結婚すれば、すぐに子供ができるのだろうか…

もしそれが普通の事ならば、私は来年結婚して…再来年には出産してしまうのか。

だが…今日見た光景に、私は夢の欠片すら失くしていた。


「…今日、許嫁が女の人と宿から出て来たの…」

私が溜息交じりにそう言うと、亜津子ちゃんは悲しそうな顔をして。

「それを…見ちゃったの…?雅乃ちゃん…可哀想に…」

私の肩を抱き寄せてくれた。

「どうして…男の人って浮気なんてするんだろう…」

「え…?男の人って、みんなそうなの?」

亜津子ちゃんの言葉に疑問を感じて問いかけると。

「お姉さんの旦那さんも…すごく浮気性みたい。」

亜津子ちゃんは、少し怖い顔をして言った。

「浮気性…」

「結婚してるのに…あちこちに彼女がいるんですって。」

「……」

もう、それは…私の想像をはるかに超えた世界だった。

あちこちに彼女…

「一夫多妻の時代はとっくに終わったと言うのに、男の勘違いってとんでもないわ。」

亜津子ちゃんはそう言って、少し怒った顔をしたけど…

「でも…憧れるわ。いいなあ…雅乃ちゃん。」

ネグリジェの裾を持ってつぶやいた。

「え?」

「結婚…私には…無理そうだから…」

「……」

亜津子ちゃんは…どこが悪いとは言わないけど…

一年の大半を家で寝て過ごしている。

確かに、こんな状態だと…結婚は難しいかもしれない。


「今すぐは無理でも、元気になったら出来るわよ。」

「…元気になったら…ね。」

そう言って笑った亜津子ちゃん。

私の大好きな亜津子ちゃん。

「結婚式には、呼んでね。まだ一度も着ていない着物があるの。」

そう言って、私と指切りげんまんをした亜津子ちゃんは…

その日から一ヶ月後の夜。


息を引き取った。

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