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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/15 22:16:24

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「大丈夫?」

少し寒いけど、広縁で酔いを醒ましたい…って、しーくんが言って。

あたしは温かいお茶を持って隣に座る。

「ああ…桐生院家はみんな酒が強いな。」

苦笑いのしーくん。


…婚約が決まって…幸せいっぱいだった。

なのに、おじいちゃまの余命宣言…

信じたくないし…信じられない…

おじいちゃまは入院して…毎年恒例の母さんと華月と聖の誕生日会は延期。

だけど、今夜…こうして大晦日に一時退院して、華月の彼氏の詩生君と…しーくんも駆け付けてくれた。


「…おじいさん、元気そうだ。きっと良くなられるよ。」

少し眠そうな顔をして、しーくんが言ってくれた。

「…うん。あたしも…そう思う。」

そうだ。

きっと、良くなる。

だって…良くなかったら帰ってこれないよね…?


「……」

ふと…床に着いた手に、しーくんが手を重ねて来て。

あたしは…少し顔を赤らめた。

まさか…しーくんの事、こんなに大好きになるなんて…

そして…しーくんもあたしの事…好きになってくれるなんて…

ここに来るまで、色々あったけど…

それでも、この人と将来の事を約束出来て…本当に幸せだ。

おじいちゃまには、あたしのウエディングドレス姿見て欲しい…

…あ、着物がいいかなあ…?


「何考えてる?」

あたしの手を握って、しーくんが言った。

「…着物がいいかな、ドレスがいいかな…って…」

照れ臭いけどそう言ってみると。

「…どっちも似合いそうだ。」

しーくんは目を細めて…優しい声で言ってくれた。

「…式…挙げてくれるの?」

「もちろん。どうして?しないとでも思った?」

「うん…何となく…」

しーくんは二階堂で働く人で…

いつも危険と隣り合わせ。

正直…結婚式なんて…夢でしかない気がしてた。

「ただ…どうしてもハッキリした日取りはまだ組めないから、もう少し待たせてしまうけど…」

申し訳なさそうなしーくんの声に、あたしは首を横に振る。

「アメリカだけじゃなくて、ドイツにも行ったりしてるんだもの…忙しいのは十分解ってるつもり。」

「…ごめんな。」

しーくんの手があたしの頬に触れて。

あたしは…いまだに慣れなくて…ドキドキしてしまう。

こんなので…結婚なんて大丈夫かなあ?


「今夜は…泊まれるの?」

詩生君は華月の彼氏だけど…聖とも仲が良くて。

そして、バンドをしててビートランド所属という共通点があるからか、華音とも仲がいい。

だから、今夜は最初から泊まらされる覚悟で来たそうだ。

ちょっと…羨ましい。


「いや…もう少ししたら帰るよ。さすがに元日の朝休むわけにはいかないから。」

二階堂では、元日の朝に集合して挨拶があるらしい。

…そうだよね。

休めないよね。

「ごめんね…それなのにこんなに付き合わせて…」

詩生君が飲めない分を…と、父さんにたくさん飲まされたしーくん。

顔色も変えずに飲んでたけど…さすがに飲み過ぎたみたい。

「楽しいよ。」

「ほんと?」

「ああ。咲華の家族は…温かいな。」

「…ありがとう…」

しーくんの肩に寄り添った。

あたしは…家族が誉められるのが大好き。

あたしの自慢の家族。


「…好きだよ。」

そのまま…唇が近付いて。

「あたしも…」

小さく答えると…優しいキスが来た。

…どうか…

この幸せが…夢でありませんように…

だけど…

おじいちゃまの病気は…

夢でありますように…。

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