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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/15 22:15:51

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「退院おめでとう~!!」

クラッカーが鳴り響いて。

大部屋は拍手でいっぱいになった。

貴司さんが、一時退院した。

一時、なんだけど…今夜は大晦日っていうこともあって、みんなで盛り上がっている。

「退院なんて大袈裟だな。またすぐ病院に戻るのに。」

そう言いながらも、貴司さんは嬉しそう。

パジャマのままだけど大きな座椅子に座って、華音の作った三角帽子なんかをかぶらされて。

何だか…一気におじいちゃんになったなあ…なんて思った。


「ところで、面談ってみんな何言われたんだ?」

ふいに、華音がみんなを見渡して言った。

それ!!

あたしも知りたいよー!!

だって、あたしには全然面談なんてなかったし!!

会社を継ぐ事になって慌ただしくしてる聖の様子を、深田さんに聞いてきてくれって頼まれたり…

ずっと気になって買わないままでいた花器が欲しくなったから、買いに行ってくれって頼まれたり…

まあ、頼まれごとされるの好きだから、いいんだけどさあ…


「今後、仕事はどうして行くんだとか…」

「結婚式の予定についてとか…」

「オーストリアの華道会長に挨拶に行けとか…」

みんな、本当に面談みたいな事されてて。

何だか…ちょっとうらやましい気がした。

貴司さん、学校の先生みたいだよ…。


「詩生君、飲まないのかい?」

貴司さんが、華月の彼氏である早乙女詩生君に声をかけると。

「あっ…父さん、それタブー…」

聖が苦笑いをして…詩生君はうなだれた。

「え?禁酒でもしてるのかい?」

「…おじいちゃま、知ってて塩を擦り込んでるように思えるんだけど。」

貴司さんの言葉に、華月のツッコミ。

それがおかしくて、みんなクスクス笑い始める。

…思い出に出来てるのかな…?華月。

あんなに苦しい思いをしたのに、『好き』が勝った。って。

…すごいな…

孫なのに、尊敬しちゃうよ…。


「その分、志麻が飲め。」

詩生君にお酒を飲ませたくないのは華月だけじゃないみたいで。

千里さんは詩生君の前にあったお酒を、咲華の婚約者の志麻さんに渡した。

「…潰れない程度にお付き合い致します。」

「ほほお…いい度胸だ。」

娘の彼氏相手となると、ムキになる千里さん。

結局、そこに陸さんも加わって…

貴司さんが疲れて部屋に横になっても、大部屋では宴会が続けられて。

年が明けて…朝方、一番元気だったのは…


「詩生、飲んでないのに寝ちゃうなんて!!」

華月だった。

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