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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/15 21:00:56

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「毎日誰かと面談なんて、仕事してるのと同じじゃないっすか。」

俺がそう言うと、親父さんは声を出して笑った。

入院五日目。

思えば入院当初は顔色も悪かったが…仕事がない分少し気楽なのか、親父さんの顔色は病人とは思えない。

だが、ここ四日間。

まるで個人面談かのように…桐生院家の人々を一人ずつ呼び出しては話しをしている。

初日は全員で来て鬱陶しがられて。

二日目は華月と知花と咲華がそれぞれ呼ばれて。

三日目は、華音と聖と麗。

四日目は、陸と冬休みで帰って来た学。

で、今日は…俺。

ばーさんと義母さんは、毎日空いた時間に顔を覗かせているが、だいたい眠っているらしい。

『あたしにも面談~!!』と、義母さんは言うらしいが…

…明日か?


「…千里君。」

「はい。」

「君には…本当に感謝してるよ。」

ベッドに横になったまま、親父さんは天井を見ながら言った。


「今感謝されても困ります。」

「困るのかい?」

「困りますよ。まだ感謝されるような事、したつもりないんで。」

「……」

「俺が親孝行したって思えるまで、悪あがきして欲しいっすね。」

「…ふっ…悪あがきか…」

親父さんはくっくっと笑って、俺を見ると。

「君が最初うちに来た時…本当はかなり面食らったんだよ。」

すごく珍しく…素面なのに満面の笑みで言った。

「…いや、まあ…そうっすよね…知花はまだ高校一年だったし…」

「ああ…懐かしいな。」

「面食らったのに、よく結婚許しましたね。」

「…好きな相手と一緒にさせてやりたかったからね…」

「……」

その言葉は…当時偽装結婚を目指してた俺には、少し痛かったが。

親父さんの言う『好きな相手と一緒にさせてやりたかった』が…

義母さんの事を言っているようにも思えた。


「もし…」

「?」

「もし、私が死んだら…さくらを…自由にしてやって欲しい…」

「……」

それは…

高原さんと…っていう意味だろうか。

親父さんの言わんとしている事は、分からなくもないが…


「義母さんは十分自由人に見えるんすけど…これ以上何させるつもりっすか…」

俺が額に手を当てて言うと。

「あははは!!それは確かにそうだ!!」

親父さんは…本当に楽しそうに。

心配になるぐらい…楽しそうに、声を出して笑った。

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