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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/14 23:31:36

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「もしもし…ああ、アズ。何だよ。今からこ………え……?」

その電話があまりいい内容ではない事は、千里の顔色を見てすぐに分かった。

晩御飯が終わった後。

千里の携帯が鳴った。

あたしは大部屋で、華音と咲華の進路希望表と華月と聖の三者面談の用紙を並べてる所だった。

キッチンでは母さんが華月とお茶を入れてて。

おばあちゃまは中の間で咲華とお花を活けてて。

華音と聖はテレビに映るアイドルのスタイルに小声で点数をつけたりしてた。

父さんは…まだ帰ってない。


心配そうな顔をしてたのが分かったのか、千里はあたしをチラリと見て…それから少しだけキッチンを見て。

顎をしゃくってあたしを部屋に呼んだ。


「…何かあったの?」

部屋に入って、千里の電話が終わってから問いかけると…

「…周子さんが亡くなったそうだ。」

千里が低い声で言った。

「……」

すぐにはピンと来なかった。

頭では分かってる。

…藤堂周子さん。

高原さんの…奥さん。

瞳さんの…お母さん。

「知花?」

「あ…あ、それは…瞳さん、大丈夫かな…」

ふいに、麗達のお母さんが亡くなった時の事を思い出した。

あまり会う事がなかったあたしも、葬儀の最中は寂しさとやりきれない悲しさに襲われた。

人間てこんなにも簡単に死んでしまうものなのだろうか…と言う、どこか騙されているような気持ちと。

寮生だったあたしは、日に日に弱って行く継母の姿を見ていない分…

悲しみよりも驚きの方が大きくて、泣きじゃくる麗と誓を慰めながらも戸惑いでいっぱいだった。


「ああ…まあ、アズがついてるから。」

「葬儀は?」

「家族だけで行うらしい。そうは言っても、通夜だけでも顔は出したいから、朝霧さんにも相談してみる。」

「そうね…」

あたしは一度もお会いした事はないけど…

ずっと…知らん顔していながら、意識していた存在でもある。

高原さんが、母さんと出会う前に愛した女性。

そして…母さんと別れた後…高原さんの妻となった女性。

高原さんを…愛し続けた女性。


「…千里。」

「ん?」

「すぐ行ってあげて?」

「…あ?」

あたしの言葉に千里は眉間にしわを寄せた。

「だって…きっと色々心細いよ…」

「だから、そこはアズがいるし。」

「アズさんだって、千里が居てくれたら心強いよ。」

「……」

「友達でしょ?行って背中に手を添えてあげるだけでもいいの…そばにいてあげて。」

目を見ながら言うと、千里は少し呆れたような溜息をついたものの。

「分かった……義母さんには…どうする?親父さんから言ってもらうか?」

あたしの頭を抱き寄せてそう言った。

「…どうしよう…」

千里の胸で小さくそう言うと。

「…親父さんに電話してみよう。」

千里は携帯を開いた。

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