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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/13 14:01:04

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「ただいまー…」

クリスマスイヴやし、鈴亜はまことデートなんかなー…思うたら、うちに帰るの億劫やったけど…

「おかえりー。遅いよ、父さん。」

「…お…おう。すまん…」

鈴亜は、家におった。

「おかえりなさい。」

「ただいま。これ、頼まれとったやつ。」

るーに頼まれたケーキは、並ばんと買えへんやつで。

これは…何かの罰ゲームなんか!?思いながら、寒空の下、俺は一時間並んだ。

まあ、迷惑かけとるしな。

ずっとフヌケで。

並ぶぐらい、したるわ。

「わっ、ありがと。寒かったでしょ。先にお風呂入る?」

「…いや、一緒に食うわ。」

「じゃあ光史呼んで。」

「おう。」

キッチンでは、鈴亜と瑠歌がるーからケーキの箱を渡されて、中を見てキャアキャア言うた。

うむ。

買うて来た甲斐があるで。


「光史ー。飯ー。」

二階に上がって部屋の前でノックしながら言うたが…

「……」

返事無し。

「開けるで。」

寝てるんか?思うてドア開けると…

光史はヘッドフォンをして、筋トレ中。

「……」

俺は無言で光史の耳からそれを取った。

「うおっ…なんだ。親父か。ビックリした。」

光史は必要以上に驚いて、腹筋をやめて首にタオルをかけた。

「…もう明日の事やん。今晩筋トレ頑張ったかて、変わらへんって。」

「分かってるよ。でも、何か力になる事をしておきたいっつーか…」

「……」

「高原さんから聞いてるんだろ?明日のライヴの趣旨。」

「…ああ。」

ざっくり言うと…まこのためのライヴやな…。

それが俺としては…何でやねん思うが。

「ぶっちゃけ…うちのバンドは知花とまこで持ってるようなもんだからな…」

光史は意外な事を言うた。

「ちゃうやん。おまえのドラムも陸と千寿のギターも、聖子のベースも、どれもえらい評価されてるやんか。」

「それは、外の評価だろ?俺が言ってるのは…中の事だよ。」

「…中の事?」

「本来はドラムの俺がリードして作ってくもんだけど…恐ろしく耳とリズム感のいいあの二人には、何やってもかなわねー。」

「……」

俺は光史の隣にしゃがみこんだまま、その話を聞いた。

「親父も分かるだろ?歳とか性別とか関係ない。俺はあの二人を尊敬してやまないし、誇りにも思う。そして…離されるもんかっていつだって奮い立たされてる。」

「……」

「俺が高く評価されてるとしたら、あいつらのおかげなんだ。」

俺は小さく溜息をついて立ち上がって。

「…ま、明日のためにも今は飯を食う事やな。」

光史の頭をグリグリして言うた。

「シャワーしてく。」

「行水で頼むで。」

光史の部屋を出て、階段を下りながら考える。

光史は…あの件(渉が産まれた日に俺が里中助けよって遅くなった件)があって以来、あんま俺に熱い所を見せる事はなかった。

まあ、あのバンドの中でもクールなポジションにおる思うけど。

そんな光史が、まこを尊敬して…離されんとこ思うとるとか…意外やった。

確かに、まこの腕は確かや。

耳もリズム感も知花同様ズバ抜けてええ。

世界のDeep Redのナオトを、あっちゅう間に超えたなとも思う。

ただ…

それとこれとはちゃうんやな…

鍵盤奏者としては、認める。

が。

鈴亜の結婚相手として…俺は誰が相手やったとしても、こうやって駄々こねたんやろけど。

まこやから…言うのもある。

なんのこたあない…

…嫉妬や。

あいつの…才能に対する、嫉妬や。

それは…

俺が生まれて初めて、この歳になって…

誰かに対して抱いたもんや。


明日は…そのまこの才能を。

俺が納得出来るレベルのもんを見せてくれたら…

…そん時は…


もう、認めるしかあらへんな。

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