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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/12 23:36:48

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「もう…邑さん、人の仕事をそういう風に言うの、カッコ悪いってば。」

佐和ちゃんがそう言ってくれたけど、僕は全然気にもしてない。

鍵盤の素晴らしさは、分かる人が分かればいい…けど。

来週のライヴでは、僕は…全力でこの人の度胆を抜くつもりだ。


「コンサートとかライヴに行った経験はありますか?」

誰にともなく聞いてみると。

「あ、自分は学祭でプロのバンドが来たのを見ました。」

次男坊君がキッパリと言うと。

「俺は友達のライヴとか見に行ってるよ。」

三男坊君が髪の毛をかきあげながら言って、邑さんは…

「ケンシロウの武道館コンサートは、ここ10年毎年欠かさず行ってる。」

腕を組んで、自慢そうに言った。

ケンシロウ…

確か、男性ファンの多いソロシンガー。

リーゼントにツナギといういでたちで、ギターをかきならして熱い楽曲を歌う人。

なら爆音は大丈夫かな。

「真珠美ちゃんは?」

佐和ちゃんが問いかけると、真珠美ちゃんはうつむいてた顔を上げて。

「…初めて。」

小さな声で言った。

…ちなみに…真珠美ちゃんのメガネは僕が壊してしまったメガネに戻ってて。

前髪も下りてる。

…嫌われちゃったかなあ。


「えー…説明させてもらいますね。」

僕は一枚の誓約書を手に、話し始める。

「うちの事務所の会長から、12月25日にライヴをすると言い渡されました。でもそのライヴは完全シークレットライヴで…箝口令が敷かれてます。」

「カンコーレイ?」

佐和ちゃんが首を傾げた。

「誰にも言っちゃいけないって事。」

「どうして言っちゃダメなの?」

「それはー…」

その時…

「まこちゃん、誓約書持って来た…あ、佐和ちゃん、こんにちは。」

知花が誓約書の入った封筒を持ってやって来た。

「あ、知花さん…こんにちは。」

佐和ちゃんが立ち上がって、知花から封筒を取って僕に渡してくれた。

「ありがと。」

すると、その後ろから…

「あれ、まこもいたんだ。」

セン君が入って来た。

「あら?セン帰ったんじゃなかったの?」

「ロビーにいたら知花が面白い小走りしてたから、ついて来てみた。」

「面白い小走りって…もう!!」

知花が赤くなって、セン君をポカポカと叩く。

「あはは。ごめんごめん。」

…猫パンチをくらわされる竹林…って景色をイメージしちゃったよ…

「ああ、佐和ちゃんもいたんだ。あっ、これってもしかして…誓約書の集い?」

セン君がそう言って、佐和ちゃんが苦笑いしてる。

んー…

知花とセン君って、冗談みたいに天然な所あるもんなあ…

みんなは、僕と知花はバンドしてる風に見えないって言うけど…

僕から見たら、セン君だってそうだよ。

茶道の名家の人だからか…

いくらSHE'S-HE'Sに入ってタバコやアルコールを覚えたとは言え、普段の立ち振る舞いはすごく丁寧と言うか物腰が柔らかいし…

あれだけ口の悪い陸ちゃんと一緒にいるのに、言葉使いも悪くならない。

知花とは、茶華道の話でよく盛り上がってるけど、二人のそういう会話が始まると、僕なんて正座して聞かなくちゃいけないかな?って気分になっちゃう。

…こんなに生まれも育ちもいい二人が、ハードロックやってるなんて不思議だなあ。

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