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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/12 22:18:20

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「ライヴ?」

「うん。クリスマスに。」

あたしがカレンダーを見ると、みんなも一斉にカレンダーを見た。

「まあ、それじゃあ忙しいんじゃないのかい?」

おばあちゃまが口元に手を当てて言ったけど…

「あっ、大丈夫。お誕生日会はちゃんとするよー?」

おばあちゃまの足元で、心配そうに見てた華音と咲華に言うと。

「おたんようびかい!!しゅるよー!!」

二人はバンザイをして飛び跳ねた。


12月24日は、あたしと華月と聖の誕生日。

クリスマスイヴって事もあって…桐生院家は全員が大張り切り。

去年は出産で病院にいたから何もなかったけど…

一昨年は母さんがうちに来て、初めてのあたしの誕生日会で…

…高原さんも来て…

だから、来週の誕生日会にも…きっと、父さんは高原さんも呼んでるはず。


「かーしゃん、おうたうたうの?」

『ライヴ』って言葉に反応したのか、咲華があたしのスカートを持ったまま言った。

「そう。母さん、お歌、歌うの。」

しゃがんで咲華の目線になって言うと。

「しゃく、かーしゃんの、おうたしゅきー。」

そう言って、咲華は…

「……」

そばにいた千里が、開いてた新聞を置いて振り返った。

咲華が…たどたどしくではあるけど、SHE'S-HE'Sの英語の歌詞を…歌ってる。

「咲華…上手。母さんビックリ。」

あたしが驚いた顔で言うと。

「ろんもうたえゆよー。」

そう言って…華音も同じように歌い始めた。

「…どうしよう…感動なんだけど…」

あたしが千里を見て言うと。

「…父さんの歌は歌わないのか?」

千里は新聞をたたんで、這うようにして二人の前まで来た。

「うたえゆよ!!」

「おお…歌ってみてくれ。」

すると、二人は…

「ぷっ…」

「ぷはっ…」

キッチンにいた母さんと、テレビの前にいた誓が吹き出した。

千里にリクエストされた華音と咲華は、すごく…だみ声…のつもりなのか、顎を引いて頑張って頑張って、自身の一番低い声…

「も…ものまね?二人とも…上手よ~…」

あたしが二人を抱きしめて言うと。

千里は床に突っ伏して。

「…俺の歌って、こいつらに評価低っ…」

うなだれた。

あたしも千里もハードロックだから…家でCDを流す事はほとんどないんだけど。

たまに母さんが洗濯物を干しながら流してたり、二人を事務所に連れて行ってる時に流れてるのを聴いて『知ってるー!!』って騒いだり…

二人とも、耳も記憶力もいいんだなあ…って。

二人の能力を我が子とは思えない能力だと思った。

…残念ながら、絵心はないんだけど…


「知花。」

床に突っ伏したままの千里の背中に、咲華と華音が乗る。

「ん?」

「ライヴ、楽しみだな。」

「……」

そう言ってくれてる顔が見たくて、横に回ると。

「…あいててて…華音、もう少し右に…あ、そこそこ…」

千里は、子供達に踏まれて痛いけど気持ち良さそうな顔してた。


SHE'S-HE'Sがメディアに出ないキッカケは…あたしが襲われた事があったから。

…今回のライヴは、まこちゃんのために推してくれた企画だけど…

千里、きっと…みんなの気持ちも考えてくれたんだよね?


「ここも?」

子供達につられて千里の腰の上に座ると。

「…仰向けになってから乗ってくれ。」

千里は、ニヤニヤしながらそう言った。

……バカっ!!

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