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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/12 20:46:41

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「ただい…」

センと二人でギターマガジンの取材を終えて帰ると、麗はテーブルに突っ伏して寝てた。

ついたままのテレビからは、ノン君とサクちゃん…そして、桐生院家の様子…

…麗は俺には寂しいとは言わない。

だが、寂しいんだろうなとは思う。

分かってる。

俺も、もっと早く帰ろうとすれば帰れる。

でも…麗にも慣れてもらわなきゃ困る。

俺の仕事は、ギターを弾くだけじゃない。

急な打ち合わせや取材が入る事も多々ある。


「…麗、風邪ひくぞ。」

頭を撫でてそう言うと。

「ん……あっ…おかえりなさい…」

麗は驚いたように起きて、ついたままのテレビに気付いて慌ててそれを消した。

「どうして消すんだよ。ついてていいのに。」

「…ごめんなさい…」

「なんで謝んだよ。」

「……」

結婚して七か月。

麗は…笑顔が減った。

二階堂の本家に子守のバイトに行く事もあるが…

織から『麗ちゃん、元気がないけどどうしたの?』と連絡が入る。

寂しいんだろうなと思って、桐生院に行く事を勧めると、喜んでいくわりに…帰ると溜息ばかり。

…分かってはいたけど、難しい女だぜ…

ったく。


「クリスマスにライヴする事になった。」

荷物を置いてそう言うと。

「え…クリスマスに…?」

麗は少し困った顔をした。

「あー…安心しろ。25日だから。」

24日は…桐生院家では大イベントがある。

知花と華月ちゃんと聖君の誕生日会。

高原さんも分かってたから、25日にしたんだと思うしな。

「来るだろ?」

当然来ると思って問いかけると。

「…行かない。」

麗は暗い声で答えた。

「なんで。」

「…賑やかな所に行ったら、帰るのが寂しくなるから。」

「……」

俺は麗の後に回り込むと、麗を抱えるようにして座って。

「他には?何か溜め込んでる事があんだろ?喋れよ。」

耳元でそう言った。

「べ…別に…何も…」

「嘘つけ。おまえ、最近全然笑わねーよな。つまんなさそーな顔してさ。」

「…悪かったわね。暗い女で。」

「だーかーらー。そんな事言ってんじゃなくて。」

麗の腰を持ち上げて、無理矢理向かい合わせる。

「何か不満があんだろ?言えよ。」

両手で頬を包んで問いかけると、麗は困ったような恥ずかしそうな顔をして…

「…あたし…」

うつむいた。

「あたし?」

「…赤ちゃんが欲しくて…」

「……」

「なのに…なかなか出来ないから…だから…どっちの本家に行くのも…辛くて…」

「……」

「…その…瑠歌さんとか世貴子さんに会うと…嫉妬しちゃって…」

「……」

「…醜いなあ…って…」

「……」

ギュッ。

「り…陸さん…?」

力いっぱい、麗を抱きしめた。

何だよ…

そんなの、もっと早く俺に言えよ。

俺は…結婚したら自然とその内出来るもんだ…なんて、すげー気楽に構えてたから…

「悪かった。俺もその気になって、ちゃんとする。」

麗の目を見てそう言うと、麗は真っ赤になって。

「ちゃ…ちゃんとするって…」

しどろもどろに言った。

「タバコもビールも控えて、少しだけ健康体になって挑む。」

「…少しだけって…何よ…もう…」

麗は俺の肩に頭を乗せて。

「…ごめん…陸さん…」

また、謝った。

「だから、なんで謝んだよ。もっとイチャついてくれって素直に言えば良かったのに。」

「…バカ。」

「だから、ライヴ来るよな?」

「…どうしよ…」

「カッコいいとこ見せてやるから。」

「…ほんと?」

「ああ。もー、イチャつきたくて仕方なくなるぜ?」

「ふふっ…じゃ、行こうかな…」

ほんっと…

めんどくさい女。


だけど…

「…陸さん。」

「ん?」

「ありがと…」


可愛いんだよな。


麗を、笑顔にしてやりたい。

…よし。

頑張るぞ。

ライヴも…

子作りも!!

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