アホな男に10年を捧げた話。

アホな男と分かっていても好きで好きで仕方なかった彼との恋愛について書いていきます。

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「どれだけ私が心配したか、分かる?」

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2017/09/12 13:53:55

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約束の時間より少し遅れて、彼は店にやって来た。

「ごめんなぁ。
新快速、間に合わなくて。
次の快速に乗ってきたわぁ」

ヘラヘラと笑いながら、彼は席に着いた。
テーブルの上には、飲み干したグラスが一つ。
さっきまで私が飲んでいたオレンジジュースだ。

「オレも何か飲むかな」

そう言って彼はメニューを広げ、レミさんを呼んでコーラを注文した。

ここまで来てようやく、彼は目の前にいる私の様子が普段と違うことに気付いたようだ。

「ロザーナ、今日は機嫌悪いな」

「私がどれだけ心配だったか、あなた知ってるの?」

初めて私が彼に怒った瞬間だった。
私はこれまで、彼のすることは笑って許していた。
たとえ不倫されても、半年連絡が来なくても。
顔で笑って心で泣いて、というやつだね。
でもその日は、怒らずにはいられなかった。

彼は私が怒ったことに、とても驚いたようだ。
あまりの驚きように、次の言葉が出て来ないみたい。

「復職が決まった、家に帰る。
その一言だけで突然、いなくなっちゃうし。
その後も、何の連絡もくれないし。
またお母さんと上手くいってないのかな、ヘルニアが再発したのかな。
どれだけ私、心配だったか分かるの?」

ここまで私は、一気にしゃべった。
私のあまりの剣幕に、彼は言葉を失っていた。

だけど私には、どうしても聞けないことがあった。
「私のこと、利用したんでしょ?」
これを言ってしまっては、ますます自分が惨めになる気がしたから。

彼は気分を落ち着けるように、コーラをストローで一口吸った。
そして、語り始めた。


つづく。

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