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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/12 09:38:01

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「まこちゃん、クリスマス何か欲しい物ある?」

夕べは…鈴亜んちでごちそうになって…

今日はオフだから、泊まってけって光史君は言ってくれたんだけど…

あんな朝霧さんの姿見たら、本当それは無理…って思って帰った。

…一応、僕と鈴亜は結婚…を、認めてもらった…事にはなったんだと思うけど…

朝霧さん、スッキリしてないんだろうなあ…

正直、僕だってスッキリしてないもん。


「んー…手作りのお菓子がいいかなあ。」

まだ学生の鈴亜にあまりお金使わせたくないし、鈴亜が頑張って作ってくれたと思える物だとさらに嬉しいし。

そんな気持ちでリクエストすると…

「分かった。頑張るね。」

鈴亜はキラキラした笑顔で言ってくれた。

…可愛いなあ。


鈴亜と別れてる間に、街にはイルミネーションが点灯し始めてたらしいけど、僕はそんな事にも気付かなかった。

昨日の今日でデートも気が引けたけど、朝霧さん以外の朝霧家の皆さんから、せっかく一日オフなんだからデートしておいでって言われて…の、今日。

「イルミネーション、綺麗だね。やっとクリスマスの気分になって来た。」

って言った僕に。

「え?もう今月入ってすぐ点いてたよ?」

って、鈴亜が笑った。


「…まこちゃん。」

「ん?」

「…手、繋いでいい?」

「……」

すごく遠慮がちに聞いてきた鈴亜。

以前は人前でも平気で抱きついて来て、僕を慌てさせてたのに。

「気が付かなくてごめん。手袋してなかったんだ?」

僕はそう言って、鈴亜の右手を取ってポケットに入れた。

「…まこちゃんてさ…」

「ん?」

「優しくて可愛くて…って思ってたけど…」

「うん?」

「…男らしいね。」

「……」

つい、立ち止まってしまった。

今、僕…

男らしいって言われた?

どこがだろ?

お店のガラスに映った自分を見て、それから鈴亜を見て、それから自分の爪先を見下ろして。

「見た目?」

首を傾げて言うと。

「あははっ。まこちゃんたら、その反応面白すぎ!!」

「だって…そんなの言われた事ないから、ビックリして…」

昔から言われるのは…『可愛い』『優しい』『マスコットみたい』のどれかだよ。

男らしい…なんて…

僕から見たら…

神さんがそうかなあ?

すごく自分を持ってて、堂々としてる。

とてもじゃないけど、僕なんかはその足元にも及ばない…


「だって…」

ゆっくり歩き始めながら、鈴亜が少し照れた風に言った。

「だってまこちゃん…本当にあたしの事、すごく考えてくれてるな…って、あたし、分かるもん…」

「…え?」

「あたしね、こんな風に言うの…調子がいいのかもしれないけど…一度フラれて正解だったのかなあって。あれで…すごく冷静にまこちゃんの事見つめ直せたし…自分の事も、知る事が出来たって思う。」

何となく…鈴亜が大人になった気がした。

ただ可愛いだけの鈴亜じゃなくて…


「…まこちゃん、知り合い?」

ふいに、鈴亜が少し距離を詰めて言った。

「え?」

「前…」

鈴亜に言われて前方を見ると、そこには…僕達を見て立ち尽くしてる真珠美ちゃんがいた。


「真珠美ちゃん…偶然だね。買い物?」

立ち止まったままの真珠美ちゃんに近付いて声をかけると、真珠美ちゃんは僕を見て鈴亜を見て、また僕を見て…

「…やっぱり…」

小さな声で、そう言った。

「え?」

「やっぱり…美人が好きなんだ…」

「…え…え?」

真珠美ちゃんはわなわなと肩を震わせて。

「やっぱり美人がいいんじゃない!!」

そう叫んだかと思うと…

「バカ!!」

僕に小さな紙袋を投げ付けて。

「えっ…あ、真珠美ちゃん!!」

声をかけたけど、見事なスタートダッシュで去って行った。

「どうしたんだろ…」

心配になって小さくつぶやくと、足元に落ちた紙袋を鈴亜が拾って。

「…はい。」

低い声で、僕に渡した。

「…追わなくていいの…?」

鈴亜を見ると、目を細めて…何やら疑いの眼差し…

「何か疑ってる?お母さんが言った通り、ダークな鈴亜が出て来た?」

真珠美ちゃんの行動の意味が解らなくて、眉間にしわを寄せながらそう言うと。

「ちっ…違うわよ。でも…今の子…誰?」

鈴亜はすごく拗ねたように言った。

「バスであの子のメガネ壊しちゃって、色々あったんだ。」

「色々って何?」

「…全部話した方がいいわけ?」

「…知りたい……ううん、やっぱいい。」

「どっちだよ。」

「……だって…」

鈴亜は僕の手から紙袋を取って、無言でそれを開けた。

「…ほら。」

そう言って、鈴亜が差し出したのは…メッセージカード。

「見て。『大好きなお兄さんへ』だって。」

「…まあ、10歳違うと、そう呼ばれたりするよね。」

「何言ってんの?『大好きな』よ?」

「…中学生だよ?僕ぐらいのお兄さんがいるし、そう書いたって可愛いもんじゃないのかな。」

僕の言葉に、鈴亜はもっと目を細めて。

「じゃあ、あたしが神さんに『大好きなお兄さんへ』ってプレゼント贈ったら、まこちゃん微笑ましいなーって笑ってくれる?」

「そりゃあ笑うよ。」

「ほんとに?」

「…笑うよ?」

いや…どうだろ…

そもそも…

鈴亜が他の人に『大好きな』って言葉を使うのは…

身内以外には…使って欲しくないかも…って、ちょっと今思った。

う…

真珠美ちゃんはメガネのお礼のつもりで、そう書いてくれたのかもしれないけど…

今、この状況で鈴亜にそれを言ったって…

「それに、あの子…あたしを見て怒ったじゃない。」

そうだ。

『やっぱり美人がいいんじゃない』って…

どういう意味だろう?

「完全に、まこちゃんに恋してるし…」

鈴亜は僕に紙袋を押し付けると。

「まこちゃん、美人は嫌いとでも言ったの?」

唇を尖らせて、先に歩いて行った。

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