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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/11 19:04:23

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「……」

あたしは今…

鈴亜のために、ひと肌脱ごうとしてる。

今まで、こんなに…誰かのために何かをしようなんて、思った事ないかもしれない。


…だって…

鈴亜、あれから全然元気なくって。

授業中も、うわの空。

遊びに行こうって誘っても、全然乗って来ない…

…当然か…

あたし、責任感じちゃうよ…

あたしがDに誘わなければ。

あたしが、若い内から一人に絞らくてもいいって言わなければ。

鈴亜…邑さんと出会う事もなかったし、彼氏と別れなくても済んだよね…


「…さむっ…」

この前、邑さん達と立ち寄ったバイクショップ。

あたしは、その近くで通りを張り込んだ。

鈴亜の彼氏…あの、天使みたいな彼氏…

確か、業界人って聞いてたから…ビートランドの人だよね?

でも、あんな天使…テレビに出てたら一発で覚えちゃうはず。

て事は、売れないアーティストなのかなあ。


もし、天使に出会えたら…鈴亜ともう一度話し合ってくれって…言いたい。

あれから全然キラキラしてない鈴亜を見るのは、あたしも辛い!!


「うー…会えるかなあ…」

両腕を擦りながら、辺りをキョロキョロする。

「……」

こんな所に居なくても…

ロビーまでは、一般人も入れるんじゃ?

あたしは、通りの向こうにババーンとそびえ立ってるビルを見上げて。

「…何も、上まで行くわけじゃないし…ね…」

ロビーにお邪魔する事にした。


でも…ロビーに入った途端。

業界人に全く興味のないあたしでも…さすがに興奮した。

見た目からしてバンドマン!!て人とか…

ちょっと風変わりな人とか…

そうかと思うと、大工さん?って思っちゃうような道具を持って歩く人とか…

わあ…すごいなあ…

こんな世界って、あるんだ~……って。

そんな事思ってる場合じゃない。

つまみ出されないようにコッソリと、天使を探さなくちゃ。


さりげなくキョロキョロしてると…

「すぐ帰って来るから。」

いた!!天使!!

「そんな事言って、最近ちょくちょく出かけ過ぎー。あたしも行く。」

そんな天使には…オマケが付いてた。

黒い長い髪の毛。

背の高い…日本美人!!

「…来なくていいし。」

「どこ行くのよ。」

「…眼鏡屋。」

「何しに?」

「眼鏡屋には眼鏡でしょ。」

「まこちゃん、目いいじゃん。」

あたしがさりげなく二人について歩いてると…日本美人があたしに気付いた!!

「…誰かに用?」

自分と、天使を交互に指差して…あたしを見る目は…すごく力強くて圧倒される!!

「あっ…あたし…」

女の人なのに、ドキドキしちゃう!!

だってー!!

この人カッコいい!!

「あら、桜花の制服ね。」

その人、あたしの着てるコートを指でスッと少しだけめくって、制服を見た。

「はっははい!!」

すると…その間に…

「じゃ、僕ちょっと行って来るから。」

天使が、走って行ってしまったーーー!!

「あっ、まこちゃん!!」

「すぐ帰るからー。」

「ビール買って来てー!!」

「……分かったー。」

ビ…ビール?

仕事中…に?


「さて。あなた、もしかして鈴亜の友達?」

突然、日本美人があたしに向かい合って、腰に手を当てて言った。

「え…えっ!?なんで…?」

「まこちゃんに会いに来たんでしょ?」

日本美人は天使が走り去った方向に目をやって言った。

『まこちゃん』なんて…

可愛くて似合いすぎる!!


「…鈴亜、すごく落ち込んでて…」

「うんうん。そうだろうねえ…」

「鈴亜が他の人と遊ぶようになるキッカケ…作ったの…あたしなんです…」

「……」

「すごく…責任感じちゃって…」

「…そっか。」

日本美人はあたしの手を引くと、ロビーの奥の方に連れて行って。

「何がいい?」

自販機の前で、指差した。

「あ…えっと…じゃあ…」

種類が多くて悩んだけど、あまり見た事がない気がして、アップルティーにした。

日本美人はあたしを連れて、その奥にあるテーブルのある部屋に入った。

「…あたし、入っていいんですか?」

「大丈夫。あたしが一緒だから。」

「…ありがとうございます…」

今まで、ずっと普通に生きて来て…こんなの、夢みたい。

日本美人の左手には、キラキラ光る指輪…

「…結婚されてるんですか?」

「ん?ああ、うん。6月に結婚した。」

「わ~…新婚さんですね。」

「そ。うちのバンド、独身はまこちゃんだけ。」

「…え…」

「うち、女二人男四人のバンドなんだけど、まこちゃんだけ独身なもんだから…社内の女達、まこちゃんに猛アタックしてるよ。」

「……」

天使がバンドを組んでるってのも、ちょっとビックリだった。

何となくだけど…アコースティックシンガーかなー…なんて。

でも、モテるのは分かるよ。

見ただけで癒し系って思ったし…

さっきの、日本美人を振り切る時の、颯爽とした感じ。←慣れてるだけだよ!

うーん…

鈴亜!!

邑さんなんて比べものにならないじゃん!?

なんで邑さんになびいちゃったの!?

…って、あたしが言えないか…


「ねえ、近い内に、鈴亜をダリアに呼び出してくれないかな。」

日本美人にそう言われて、あたしは眉間にしわを寄せてアップルティーを見つめてた視線を上げる。

「…え?」

「あたし達も、あの二人…どうにか元サヤにおさめたいのよね。」

「や…やります!!何でもやります!!」

あたしが力強くそう言うと。

「ふふっ。頼もしいわ。じゃ…そうねー…」

日本美人はポケットから小さな手帳を出して…

だけど、その手帳には…

「…それ、スケジュール…?」

あたし、つい見えたページに…目を丸くした。

だって…ビッシリ!!何か書いてある!!

「あ~、そう。ここの会長って、社員をこき使うので有名なのよね~。」

「…バンドって…」

「あ、うちら?そ。バンドなんだけど、海外向けのバンドなの。」

そういうのがあるんだー…って納得しながら、あたしは日本美人と打ち合わせを進めた。

鈴亜と天使、元サヤ作戦。

上手くいきますように!!

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