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こぼれ話 お前にはまだ早い②

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2017/09/11 10:53:42

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先生は笑っているような、困ったような、焦っているような顔をして聞いてきた。





あれ? 緊張してるのがバレちゃった?




『こことか、こことかさ、いつものお前の吹き方と違う。 抑揚がつきすぎてるよ。 なんか吹き方がヤラシイ笑!』




あ・・・そういう吹き方のことか・・・。




私は怒られるているのかと思いながらも、今まで先生に言われてきたことを踏まえてこういう吹き方をしてみたことを話した。






『あーーそっかそっか。 俺のせいか!』



そう言って先生は私の頭をクシャッと撫でた。




怒られているんじゃないと分かってホッとする。



『いやお前の気持ちは分かるよ。 分かるんだけど、今のお前にはその吹き方は似合わないと思うんだよね。


俺だったら、俺だったらね、今お前が吹いたみたいに吹くと思うんだ。』




そう言って、先生は曲のワンフレーズを思いっきり抑揚をつけて吹いてみせた。






『でもさ、これちょっとヤラシイじゃん?

まだお前純粋な中学生なんだからさ、回りくどく吹くより、もっと素直にストレートに吹いた方がいいと思うよ。
抑揚つけすぎるのはまだお前にはちょっと早いかなー』




そう言って、再び私の頭をクシャクシャッと撫でてきた。





私は何度も先生が撫でてくれるのが嬉しくて、吹き方を直されてしまったことにも全く落ち込む暇はなかった。







先生のその大きな手は、サックスを吹く時は、別の生き物のように力強さもありながら細やかに動くのに、私に触れるときはすごく優しくて、大きくて優しいその手にいつまでも撫でてもらいたいと思っていた。



そんなこと、叶わないのに。









レッスンが終わり、私は楽器を片付け始めた。




先生は私のそんな様子を見ながら、楽器を首に下げたままの格好で他愛もないことを私に話したりしていた。



先生はこのあとここで仕事があるらしい。









コートを着て、バッグと楽器ケースを持った。



『じゃぁ・・・先生、ありがとうございました。』



『ううん、遠いのに来させちゃってごめんね。』




そう言って先生はドアを開けて片手で押さえながら私を通してくれた。




先生がドアを開けてくれたのは嬉しいけど、畏れ多い方が勝って、お辞儀をしながらサッと通り抜けた。





ここで別れるかと思ったけど、先生は事務所の出入り口まで来てくれた。

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