ブスの勘違い恋愛簿

ブスの無意味な行動力で空回りばかり。でも楽しかった青春時代の恋愛+α

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◎マルくん~完全に不意討ち~

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2017/09/07 22:38:12

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マルくんの家に来た。几帳面なマルくんらしく、いつも部屋はこざっぱりした感じだ。

相談したい事とは、部内の人間関係だった。
わざわざ呼び出されたから、少し心配になったのだけど、正直そんなに深刻な話ではなく、なんだかマルくんの中では既に答えが出ているような気がした。

「なんか…大丈夫そう?」

「そう…ですね。なんとかやっていこうと思います」

「小さいもめ事は多いよね。ちょっと面倒くさいけど、上級生の宿命かね。自分の事だけやってるわけにはいかない辛さがあるね。自分の事もやらなきゃいけないけどね。
マルくん、あんまり無理しないでね?
私も聞くし、ヨッチャンもたぶん聞いてくれると思うし」

「はい…ありがとうございます」

「いや、ヨッチャンは………なんか こーゆー相談 真面目に聞かなさそうだね」

「そう…すね。カンナ先輩の方が話しやすいです」

「いやーすみませんねえ。うちの同期が。代わりに私が聞くから許して」

(実はその同期が、17時から家に来るのだ)

私は少しソワソワした。

「それじゃ、私 そろそろ帰るね!」

「あ、はい」

立って玄関まで送ってくれるマルくん。
急に振り返った。

「先輩…本当は、今日お呼びしたのは、言いたい事があったからなんです」

「えっ?なになに?」

「僕、カンナ先輩の事が好きです」

思わず口を押さえた。
血流が速くなり、顔が熱くなった。

「ずっと好きでした」

「あ、ありがとう…」

「いつもみんなの為に一生懸命で、笑いかけてくれると嬉しくて、泣いていると助けたいと思っていました」

「後輩にそんな事言われるとは思わなかったよ。やー泣いてるとこ結構見られてるもんね。恥ずかしいなあ」

「僕と付き合ってください!」

相談だと言って話していた時は、なんだか フワフワしたような感じだったマルくんは、私の方をまっすぐ見て、ハッキリと言った。

私は顔を覆った。

「ごめん。ダメ」

「僕じゃ、ダメですか?」

「違うの。私、好きな人がいる」

「そうですか。…2番目でもいいです。ダメですか?先輩のそばにいたいんです」

あれ………こんな展開………どこかであったような………

私がマサハル先輩に言ったんだ!!
『2番目でもいいなんて言われたら、こんな気持ちなんですね。マサハル先輩すみません』
なんて、数年ごしに思った。

「ごめんね。無理なんだ。私は その人の事がすごくすごーーーく好きだから。無理」

「そうですか。すみません」

「いやいや。謝らないで。私もそーゆー事 言ったことあるんだよ。ありがとうね。でも、ごめん。
だけど、ちょっと嬉しかったかも。マルくん、頼りない感じだったけど 、今の物言い、驚いてしまったよ。やるときゃやるじゃん。部活でも上手くやってけそうだと思ったよ」

「ありがとうございます。…先輩!」

「ん?」

「抱きしめさせてもらえませんか?」

「ええっ!?」

「お付き合い できないのはわかりました。せめて最後の思い出に。お願いします!!」

頭を下げられてしまった。

「やーーーえぇーーーうーーーん…わかった」

「ありがとうございます」

マルくんが、近づいてきた。
じっとしている私を、そっと抱きしめた。
マルくんは大きいので、抱きしめられると包み込まれる感じがすごい。

いつもふられる側なので、マルくんの気持ちがわかるような気がして、抱きしめられながら、なんだか切なくなってしまった。
ふったくせに勝手。

背中に手はまわさなかった。なんとなくの線引き。

「ありがとうございました」

小さく言って、マルくんは離れた。

「うん。それじゃあ、帰るね。明日からまた頑張ろう」

できるだけ普通に挨拶をして帰る。
マルくんは私が見えなくなるまで、家から見送ってくれた。



ブスに恋してくれてありがとう。ごめん。ブスなのに。

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