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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/10 18:43:56

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「ふう…やっと酔っ払ったわね…」

聖子が汗を拭く素振で言った。

ほんとこいつ…

恐ろしい奴だ。

浅香さんの愚痴を言いながら、まこに『聞いてる!?もっと飲んで!!』と、飲ませまくった。


俺は『酔っ払った』まこを見下ろした後。

「さ、全部話しちまえよ。今、鈴亜と険悪なんだろ?」

椅子を引いて、正面に座って言った。


「んー…もう…ハッキリさせなきゃ…だよねー…」

まこは机に突っ伏して、絶望的な声。

「ハッキリ?」

「…鈴亜はー…僕より…好きな男がいるんだよー…」

「……」

その言葉に、俺はメンバーを見渡した。

陸とセンはマイペースに飲んで食って、満足そうに二人してギターを弾いてたが。

手を止めて、椅子を引っ張って近くまで来た。

「それ、鈴亜ちゃんがそう言ったのか?」

陸が問いかけると。

「んー、前にさあ…陸ちゃんとセン君と…金田に行ったじゃん…」

金田とは、通りの向こうにあるうどん屋だ。

「あの時…近くの席で…鈴亜の事話してる男がいて…」

陸とセンは顔を見合わせて。

「…天ぷらうどんが安定の美味さだった事しか覚えてねーや…」

小声でそう言った。

「バイク…乗ってる男で…後日…そこのバイクショップで…見かけて…」

「それで?」

聖子が両肘をついて、まこに顔を近付けた。

…こいつ、面白がってるな?

「鈴亜の事…本気なんだ…って…」

「でも、鈴亜がその人を好きとは限らないんじゃない?」

「…キスした…って…言ってた…」

その言葉には、さすがに…俺も目が細くなった。

鈴亜…

何やってんだ!!

「えー、でも…それって鈴亜ちゃんが言ったの?」

まこの隣に座った知花が、まこの背中を摩りながら言う。

「…男が言ってた…キスはすぐだったけど…それから進まない…って…」

「そんなの…もしかしたら、でまかせかもしれないし…事故みたいな物かもしれないよ?」

知花の『事故みたいな物』に、つい笑いそうになった。

確かに…

俺と知花も事故みたいな物だったしな。

「…まこ、もう鈴亜の事は忘れろ。」

俺がそう言うと、まこは突っ伏してた顔を上げて。

「…そんな簡単に…無理だよ…」

泣きそうな顔をした。

「恋人がいるのに他の男とキスするような女、やめとけ。」

正直、半分以上本音だ。

鈴亜は可愛い妹だが…

まこがもったいない!!

「まあまあ…キスなんて、18そこらの頃は挨拶代わりだろ?」

「陸だけだって…」

陸とセンが笑いながら言ったが、俺は笑えない。

「まこ、プロポーズしたんじゃないのか?あれはどうだったんだ?」

ずっと聞けずにいたが…この際だと思って問いかけると…

「…僕との結婚は…」

「……」

みんなが黙ってまこを見守る。

「僕との結婚は……」

「早く先を言えよ。」

「光史、急かさないでよ。まこちゃん、ゆっくりでいいよ。」

聖子が、まこの肩をポンポンとして言うと。

「…僕との結婚は…青春を…終わらせる事って…思ってるみたいで…」

「…え?」

「…まだ18なのに…青春終わらせる事もないかな…って…断られた…」

「……」

そこで、力尽きたのか…

まこはゴツンと大きな音を立てて、テーブルに頭を落とした。

「あっ…あー…起きたらたんこぶ出来てそう…」

知花が痛そうな顔をして、まこの顔をゆっくり持ち上げて…タオルを敷いた。


「結婚=青春が終わる…かー…うわー…なんか胸いてーな。」

陸の嫁さんも、俺の嫁も若い。

確かに…そんな事を言われると、胸が痛い。

結婚に青春を求められるのは違う気がするが…

それを理由に断られたまこは…

「…ごめん光史。あんたには悪いけど、まこちゃんがかわいそ。」

聖子が、まこの頭を撫でながら言った。

「別に悪かないさ…俺も今、まこに同情しまくってる。」

残ったビールを一気に飲み干して。

それでも…俺達にできる事なんて、何もない事を認識しただけの夜だった。

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