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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/10 16:13:23

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「今日のまこちゃん、鬼気迫るものがあったと思わない?」

帰り道。

聖子にそう言われて、今日のリハを思い出す。

確かに…昼飯を食って帰って来てから…

まこの様子がおかしかった。

いつもニコニコしてるのに、今日は沈んだ顔で鍵盤をジッと見つめてた。


最近…鈴亜は少し派手になった。

どう見ても…友達か男が変わったと思わされる雰囲気だ。

誕生日も、まことデートで指輪でももらって帰って来ると思ってたのに。

大勢でパーティーをしてもらうから遅くなる。と、両親に許可をもらってた。

その翌日、まこがデートに誘ったと聞いて…一役買う事にした。

「俺と出かける事にするから、遅くなっていいぞ。」

そう言うと、まこは俺に抱きついて。

「光史君!!ありがとう!!」

珍しく…テンションの高い声で言った。


なのに。

あれから、まこの顔付きが暗い。

鈴亜は、派手になった。

何がキッカケでそうなったのか知らないが…

…鈴亜、何やらかしてんだ…?

まこの誕生日も…鈴亜は友達と長電話してたようだし…


「…なあ、聖子。」

「ん?」

「近い内に、みんなで飲み会しないか?」

俺の発言に、聖子は見る見る笑顔になって。

「光史がそんな事言うなんて、珍しい~!!絶対だからね!?」

俺の腕を掴んで、念を押した。


聞いた所で、正直に話さないだろうから。

とことん酔わせて…吐かせるしかない。

まこの奴、ああ見えて意外と酒が強い。

こうなりゃ、メンバー全員で潰すしかないな。


「知花と光史は何かメンタルやられてるとプレイに響くけど、まこちゃんはグンと集中するのかなあ?迫力が増すよね。」

聖子の何気ない言葉をグサグサと胸に刺しながら、酷く納得。

確かに…俺と知花は落ち込むと、かなりプレイに影響が出る。

まあ…センと陸も少なからずともそんな所はあるが…

聖子とまこに関しては、それがない。

反対に、聖子の言う通り…鬼気迫るものがある。

「…まこだけじゃねーよ。おまえも相当だぜ?」

「えっ?そう?」

「ああ。浅香さんとケンカしてる時なんてさ、本当は泣きそうなのに、冷静っつーか…」

俺の言葉に、聖子は『えへへ』と小さく笑った。

「それはそれ、なんだよね。ベース弾いてたら、嫌な事忘れられるし。」

そう言われると、俺はまだまだだな…なんて思わされた。

でも、以前は仕事として叩いてたドラムも…

今は普通に楽しく思える。

みんなと…SHE'S-HE'Sでプレイできる幸せを、ここ最近はさらに強く感じるようになった。


「俺ら、ずっと一緒にやってこうぜ。」

「えー?どうしたの今日。」

「何となく。」

聖子には…こんな事も、惜しみなく言える。

物心ついた時から、ずっと一緒に居るからかな…。

「あたしには、とっておきの愛の言葉に聞こえるけど、そういうのって、ちゃんと瑠歌ちゃんにも言ってあげなさいよ?」

聖子がそう言って、俺の背中を叩いた。

「そうだな。帰ったらイチャついて存分に言おう。」

「うわっ。ごちそーさま。」

…さ。

帰って鈴亜の様子も見て…

飲み会のプランでも立てるかな。

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