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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/10 14:53:31

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「まこちゃん、誕生日おめでと~!!」

ルームに入ると同時に、クラッカーが鳴り響いて。

僕は目を丸くしてルームを見渡した。

「あ…そっか…」

今日、僕…誕生日か。


誕生日…だけど。

鈴亜からは、今週は忙しいって言われた。

「あれっ?もう嬉しくない?」

聖子に顔を覗き込まれて。

「え?ううん。そんな事ないよー。嬉しい。ありがと。」

慌てて…笑顔になる。

ああ、ダメだ。

自分の気持ちに振り回されて、僕自身がダメになるなんて…ダメだよ。


いつも思うけど、SHE'S-HE'Sのみんなは温かい。

今年も、みんなからプレゼントをもらって、スタジオに入る前にケーキを食べた。

今日は夕方、僕だけキーボードマガジンの取材があるから、一人だけ居残り。

陸ちゃんからは、飲みに行こうって誘われたけど…

何も知らない光史君が…

「誕生日に野郎が誘ってどーすんだよ。」

って…。

気を利かせてくれたんだよね…?

でもごめん、光史君。

今日僕は…鈴亜とは約束してないんだよ…って、言えなかった…。


取材の前に、少し気分転換がしたくて。

少しだけ外を歩いて来ようかな…ってロビーに降りると…

「島沢君。」

「え?」

僕の事を『島沢君』って呼ぶ人は…あまりいない。

誰?と思って振り返ると。

「映像班の、佐伯です。」

見覚えのない…女の人。

「はあ…何か?」

キョトンとしたまま問いかけると。

「今日、お誕生日でしょ?」

「え?」

「おめでとう。これ、ほんの気持ち。」

「…え?」

「じゃ。」

「……」

ほんの気持ち。と言って手渡されたのは…空色の紙袋。

ちょっとビックリして…その場に立ちすくんでると。

「まこちゃん。」

今度は、インフォメーションの女の人に声をかけられた。

「あ…はい。」

「今日、誕生日よね?おめでと。」

「え?あ…ありがとうございます。」

「ふふっ。いつも可愛い。これ、良かったら食べてね。」

「え?」

そう言って、その人は僕にピンク色の小さな紙袋を手渡した。

「あ…あ、どうも…」

「じゃあね。」

「……」

どうしたんだろ…

今までプレゼントなんて、もらった事ないのに…

「あ、まこちゃーん。」

どこからか知花の声がして、キョロキョロしてると。

「良かった。会えなかったら困る所だった。」

そう言いながら、知花が医務室の方から走って来た。

「医務室にいたの?具合でも悪い?」

知花の顔色を見て言うと。

「ううん。呼び出されてたの。」

「え?誰に?」

「広報のお姉さん達。」

「…広報のお姉さん達?」

「はい、これ。」

そう言って、知花が僕に差し出したのは…

「誕生日おめでとうって。」

色んな箱が入った紙袋…

「…僕に?」

「うん…って、今ももらってたの?まこちゃん、モテモテじゃない。」

知花は僕が手にした紙袋を見て言った。

「悪いけど…好きな子以外からもらっても…」

ちょっと溜息が混じったかも。

僕の言葉を聞いた知花は。

「そうだね。でもみんな、きっとまこちゃんのために必死で選んだはずだから…それはありがたくもらっちゃおうよ。」

そう言った。

そう言われると…指輪を選んだ時の自分を思い出して…

知花に言われた通り、ありがたくいただく事にした。


夜は、母さんに『祝ってくれる彼女いないの?』なんて、嫌味を言われながらも…ご馳走で祝ってもらって。

そして…

一番『おめでとう』って言って欲しかった鈴亜からは…

電話さえなかった。

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