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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/09 22:39:24

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「…ヒロ。」

私が背後から声をかけると、ヒロは驚いたように肩を揺らせた。

「あっ…か…頭………おめでとうございます。」

こんなに驚くほど…私の気配に気付かなかったとは。

よほど…さくらを夢中で見ていたのだろう。


…陸と、麗さんの結婚に…私と妻は動揺した。

織が環と結婚したように、いずれは陸も誰かと結婚するであろうとは思っていても…

それを二階堂の中に望むのは難しいと、薄々気付いてはいた。

もし一般人と結婚したいと言ってくれば…それはそれで、喜んで祝福してやるしかない。とも…。


だが…

まさか、相手が…さくらの…


「あの…」

ヒロが言いにくそうに私を見る。

「…さくらの事か。」

「……」

ヒロは…さくらが丹野廉の事件に関与した事に憤慨した。

二階堂を抜けたさくらが、友人を目の前で射殺された事によって…テロ組織全員を一人で瞬く間に…

私は、さくらの記憶を一部消した。

だが…人の記憶の削除など…完璧にできるはずもない。

もう一人…

事件を目の当たりにした、丹野廉の友人、浅井晋。

彼の記憶からも…事件とさくらを…葛西が消した。


しかし、さくらの『忘れてはいけない』という意識が強いせいか…

さくらの状態は、私達が望んだそれとは大きく違っていた。

そして、それを知ったヒロは…

高原氏がさくらを連れ帰った屋敷に忍び込んで…さくらの記憶を取り戻そうとした。


…戻してどうしようと言うのだ。

さくらは…自責の念に駆られて、何をしでかすか分からない。


幸い、サカエがヒロを見付けて…ヒロの記憶を消した。

本来ヒロは…

さくらの存在さえも、記憶から消されたはずなのに…


「どうして…高原氏と…一緒になっていないのでしょう…」

ヒロは、両手を握りしめて…私の足元を見て言った。

ヒロも、また…

忘れたくないという気持ちが強かったのだろう。


「…さあな…さくらは…二階堂を抜けた人間だ。外の世界では、恋愛など自由に出来る。」

「……」

「ただ…赤毛の娘さんは、高原氏との娘らしい。」

「えっ…」

私の言葉にヒロは庭を振り返って。

陸のバンドでボーカルをしている知花さんを見た。

「…私達には知り得ない世界に、さくらはいるんだ。」

「……」

「今が幸せなら…そっとしておいてやろう。」

「…そう…ですね…」

ヒロは小さくそう言うと、何か言いたそうな顔はしていたが…それ以降何も口にはしなかった。


…心の中で、ヒロに謝罪する。

さくらとは家族のように育って来たヒロ。

きっと…さくらの幸せを誰よりも願っているだろう。

…すまない。

本当に…


すまない。

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