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きゅん♡とするおはなし

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Sunshine 33

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/05 15:53:03

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何人かの職員さんに子ども達をお願いして、今後の詳しい話をする為に事務室に向かった。
勿論沙和も一緒だ。

事務室の前で……母が待っていた。


「……幸一郎」
「私が呼びました。ちゃんと話した方がいいと思って」

園長先生の言葉に僕は頷いた。
母に直接は話していないが、会社を辞めた事等は兄から聞いているだろう……。

「母さん。黙って話を進めたのは悪いけど……もう僕は何を言われても、考えを変える気はないよ」
「そう……」
「遠山さん。全てお話しになってはいかがですか?」

園長先生が母に寄り添うように背中に手を回す。

「……でも」
「幸一郎さんは、もう立派な大人です。きっと受け止められますよ」


そうして、事務室で話を聞いた。



僕が小さい頃体が弱かったという事。
そしてこの近くに母の友人が住んでいて、僕が9歳の時に遊びに来た事があると。


「……全然、覚えてない」
「忘れてるのよ……あまりのショックで……」
「……ショック?」

「あの時……貴方は一人で公園の茂みの中に入って行った……そこで、ゴミ袋の中で衰弱しきっている女の子を見つけたのよ……」


……まさか……。


「……その場で倒れてしまってすぐに入院したけれど、持病も悪化して生死の境を彷徨った……幸一郎が健康になった今でも、その記憶が忘れられなくて……」
「……まさかそれが……」
「そう……沙和ちゃんだったの」

園長先生が代わりに口を開いた。
思わず沙和を見ると……口に手を当てて驚きを隠せない様子だった。


「……私……はっきりは覚えてないけど……この施設に来て暫くして、いつも思い出す記憶がありました……。真っ暗な闇が急にぱあっと明るくなって……眩しい光の中に、天使みたいな男の子が見えた……」


……て、天使……?


「……貴方が、辛い日々から沙和ちゃんを救ってくれた天使だったのよ」


園長先生まで真剣な顔で言うものだから、つい少し笑ってしまった。
それを見て3人はキョトンとする。


「ごめん、天使はちょっと……でも沙和を助けたのが僕だったって聞いて、今凄く嬉しい……。母さん、それは僕にとって何よりも……誇らしい事です」


僕が笑いながら言うと、母は何故か今にも泣きだしそうな顔になった。


「……ごめんなさい……私は、貴方が辛い事を思い出して同じ様な目に遭ったらって……いつまでも子どもの様に思い込んでいたのね……」
「心配ないよ。今では風邪も引かないぐらい元気だから」
「貴女にも……酷い言い方をして、本当にごめんなさい……」
「そ、そんな……頭を上げて下さい……」

園長先生は母の隣に座ると、優しく微笑みながら背中を撫でた。


「口に出したり実際にやってみると、案外簡単な事ってあるのよ。でも大事であればある程、中々それに気付けないのよね」

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