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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/09 10:28:06

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一度中座して控室に入る。

何も食べられなかったあたしは、そこでサンドイッチを少し食べた。


鏡に映った自分を見て…

テーブルにあったお母さんの写真を思い出す。

…あたしとお母さんは…似てると思う。

きれいに産んでくれて、ありがとう。とも思う。

だけど…あたし、すごく恨んで…殺したいとまで思ってしまった。

どうして上手くいかない事全てを、世の中のせいとか、人のせいにするの?って…

…でも、あたしもそうだったんだよね…

お母さんのせいで…って。


「麗。」

ノックと共に、母さんが入って来た。

「……何?」

「退場の時に元気がないなって思って。お腹すいてるの?」

何それ。

そう言おうとしたけど、あたしは無言でサンドイッチの袋を指差した。

「ああ…食べたのね。良かった。まだ式は長いしね。」

母さんはあたしの隣に座ると。

「…きれい、麗。」

着物の袂を少し直しながら言った。


「…ねえ…あの写真…どうして?」

あたしが不機嫌そうな顔で問いかけると。

「え?ダメだった?」

母さんは…キョトンとした顔。

「…だって…あんなのあったら…みんなが誰かって気にするじゃない…」

「気にしたっていいわよ。麗の本当のお母さんなんだから。」

「……」

あたしの唇は、尖ってしまったと思う。

何が…本当のお母さんよ…って。

「…ね、麗。」

「…何。」

「…容子さん、絶対悔やんでると思う。」

「……」

母さんは、あたしの手を握って。

「何か理由があって…そうしちゃったんだろうけどさ…麗を辛い目にあわせた事…悔やんでると思う。」

静かな声で言った。

「…そんなの…分かるわけないじゃない。もう…死んでるんだから…」

最後の方は、すごく小さな声になってしまった。

そうだよ…

死んでるんだもん…

分かるわけないよ。


「…でもさ、ずーーーっと、冷たく当たってたわけじゃないでしょ?麗の事、可愛い可愛いって、言ってくれてたんでしょ?」

「……」

「あたしだって、やな事がある日は、お義母さんに意地悪して嫌味言われたりするよ?容子さんは…そういうのが上手じゃなかったから、エスカレートしちゃったのかもだけど…麗が可愛くなくて、そうしてたわけじゃないはずよ?」

…せっかく…晴れ晴れした気持ちでお嫁に行きたかったのに…

お母さんの写真のせいで…

上手く笑えないあたしがいた。

「…もう席に戻ったら。」

あたしがそう言うと、母さんは手をゆっくり離して。

「誰にだって、失敗はあるの。」

あたしの背中、ポンポンってして…出て行った。


…そんなの…分かってる。

お母さんは、あたしの事…自慢の娘だ…って言ってた。

麗は可愛いわね。

麗だけは、お母さんの味方でいてね。


「……」

小さく溜息をついて、唇を噛みしめた。

…あたし…

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