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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/09 07:52:58

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「扉が開きましたら、お席まで真っ直ぐにお進みください。」

ドアの外で、係の者に言われた。

この辺りでも一番有名なホテルのパーティー会場。

まさか、俺がこんな場所で結婚するとは思わなかったな。

内々の者だけで、ささやかに…が希望だったが…


「…緊張してきた…」

隣にいる麗が、小声で言った。

「…手の平に人って書いて飲むか?」

「効くわけないじゃない…」

「ふっ。」


相手が麗じゃ…ここまでしなきゃな。


見てもない親父に『七五三みたいだ』と言われた紋付き袴。

光史の時に笑ったが、俺も笑われるな、こりゃ。

今日は、この披露宴会場ではお色直しは無し。

麗は十二単のままで二時間余りを過ごす。

聖子は自分だったら耐えられないと言ったが…

すでにそれを一時間以上着ている麗は、まだまだ涼しそうな顔。


桐生院の親父さんから、面倒臭い連中のスピーチに耐えてくれと言われた。

他の事でも考えてるから、いいさ。

何てことない。


扉が開いて、ゆっくり一礼した。

会場からは、大きな拍手。

…自分の席の遠い事遠い事…

席表作った時に見たけど…こりゃすげーな。

一番端の席は、霞がかって見えねーよ。


光史の時みたいに、BGMを選ぼうとしたが…

ま、桐生院の親父さんの顔を立てようって事で、親父さんの会社が手掛けた映画の音楽ばかりを使う事にした。

まずは、『聖地の果て』っていう映画のエンディングテーマ。

あれ、凄かったよなー。

最後、主人公が…

「……」

ふと、麗の足取りが遅くなってる事に気付いて顔を見ると…

麗の視線は、桐生院家のテーブルにあった。

…写真立て…?

ああ…麗の産みの母親か…

「…麗。」

小声で名前を呼ぶと、麗はハッとしたような顔をして…また進み始めた。


麗は…ひねくれた小娘だったが…

今は、ただ、正直な奴だなと思う。

そういう所が…俺には合ったのかもしれない。


やっとの思いで席にたどり着いて、広い会場を見渡す。

さて…

長いスピーチの始まりだ。



















と思ったが。

親父さんの会社の常務が乾杯をした後。

俺の上司(俺はビートランド『勤務』という紹介を受けた)である高原さんが…

「若い二人に、私のような者から多くの言葉は要らないでしょう。ただひたすらに幸せを願います。以上。」

いつもよりは長いが…『私のような者から』と言ってくれたおかげか…

それに続く人達は、苦笑いをしながら…巻物の所々を抜粋して読むにとどまった。

まあ…ビートランドの会長が『私のような者』なんて言ったら。

他の誰も、その上はいけねーよな。

あははは。

サンキュー‼︎

高原さん‼︎

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