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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/08 23:04:15

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「…大丈夫か?」

親族の顔合わせの後、貴司さんがそう言ってあたしの顔を覗き込んだ。

「え?どうして…?」

「いや…顔色が良くないから。」

「……」

あたし…聖を産んでからずっと、みんなに心配かけっぱなしだよね…

もう五ヶ月も経つのに…

さっきだって、控室でボンヤリしちゃって、千里さんに心配かけたし…

ダメダメ!!

しっかりしなくちゃ!!

「大丈夫!!あたし、みんなが思ってるより元気!!」

そう言ってガッツポーズしてみせると…

「あたっ。」

後ろにいた誓の顔に、手が当たってしまった。

「あっ…ご…ごめん。大丈夫?」

誓の顔を撫でて言うと。

「も~…母さん、そんなテンションで最後まで持つ?」

誓は眉間にしわを寄せて、渋い顔をした。

「も…持つわよ。あたし、体力には自信あるから…」

…とは言っても…

本当、ここ数か月は眠気に負けて、すぐ寝ちゃってたからなあ…

今日、パーティーの最中に眠らないか心配だよ…


「…さくら、これは…?」

あたしが披露宴会場に持って行こうとしてる容子さんの写真。

今朝、千里さんが雑貨屋さんできれいな写真立てを買って来てくれて、それに入れたのを貴司さんが手にした。

「だって、麗の結婚式だよ?容子さんも見たいに決まってるじゃない。」

「……」

「……」

貴司さんと誓は…少し複雑だったのか。

顔を見合わせて…そして、写真をテーブルに置いた。

「何でそんな顔するのー?」

あたしがそう言うと、誓はその写真を手にして。

「…うん。これ、綺麗な写真だし…いいんじゃないかな…」

そう言ったんだけど…

貴司さんは、相変わらず複雑な顔のまま…お茶を入れに部屋の隅っこに行った。

…気に入らないのかな?


あたしは貴司さんに近付くと。

「相談しなくて…ごめんなさい。」

小さく謝った。

すると、貴司さんはしばらく何か考えてるみたいだったけど…

「…いや、麗の晴れの日だからな…」

まるで、自分に言い聞かせるみたいに言って…

「私は先に写真をテーブルに置いてくるよ。」

写真立てを手にして、会場に向かった。

「……」

あたしは、その後ろ姿を見ながら…何となく、気持ちが沈んだ。

貴司さん…相変わらず思った事を口にしてくれないよね…

あたし達、家族なのに…。

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