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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/08 19:56:03

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「…ほんとおまえは…」

俺がそう言うと、知花は何か察したのか。

「こ…ここではあまりくっつかないでね…」

そう言って、一歩後ずさりした。

「……」

周りを見渡して…

仕方ない…我慢する事にした。


今日の知花は留袖だが…

…そそりやがる。

朝霧の結婚式に、ばーさんの高い着物を借りて着て行ったが、あの時も…何度も玄関先で俺がくっついて。

「もー、遅刻しちゃうよ…」

知花に困った顔をさせた。

…着物で困った顔なんてされるとな…

余計そそるんだよな…


「義兄さん、愛情表現したいのは分かるけど、今日は我慢しとかないと…変な意味で目立ったら、姉さんも何かと困るよ。」

誓が肘で俺を突きながら言った。

「…おまえ、言うようになったな。」

「遠慮はしないよ?家族だからね。」

「……」

まあ、そうだ。

その方が俺も楽でいい。


「とーしゃーん。」

「おー、咲華。お姫様みたいだな。」

フリルたっぷりスカートを穿いた咲華が駆け寄って来た。

「可愛いぞ?」

抱き上げてそう言うと。

「あのね、ろんが、おなかいたいの。」

咲華は腹を押さえて困った顔をした。

「えっ。どこにいる?」

「おへやー。」

知花と誓に咲華を任せて、俺は控室に向かう。

すると…

「…どうだ?治っただろ?」

「じぇす!!」

「ははっ。じぇす。」

「……」

控室の前。

華音の前に、しゃがんで話をしている人物がいた。

「ああ…麗さんの義理のお兄さんですね。」

その人物は、俺に気付くとそう言って立ち上がって。

「二階堂陸の父です。」

「は…っ…あっ、どうも、このたびは義妹がもらってもらえるとの事で。」

妙な挨拶になってしまった。

なぜか…俺は今、めちゃくちゃ緊張している。

…なぜだ?

「息子にはもったいない、お綺麗なお嬢さんです。」

ゆっくりと…だが、とてもハッキリとした口調。

何だろうか…

この…ハンパない…隙の無さと言うか…

……圧迫感。

「あ。華音、お腹痛いのか?」

華音を抱き上げて問いかけると。

「なおったー。」

華音はバンザイをして言った。

「治った?」

「おじちゃん、なおしてくえたよ。」

陸の親父さんを見ると。

「人の多さに緊張したのでしょう。念のため、白湯でも飲ませてあげて下さい。」

これまた、ゆっくりと…

「…ありがとうございます。」

「では、式場で。」

「あ…はい…」

…さすが…って言うのか?

特別高等警察の秘密機関のトップ…か。

あの陸と同じ血とは思えないが…

「とーしゃん、しゃくは?」

「…ああ、あっちにいるが…一応、白湯を飲もう。」

そう言って控室に戻ると、そこにはボンヤリと座ったままの義母さんがいた。

「…義母さん?」

「……」

「しゃくりゃちゃんっ。」

華音がそう言って膝に倒れ込むと。

「あっ…!!あー…ビックリしたー。」

義母さんは、まるで眠っていたかのような…

…まだ産後鬱が尾を引いてるのか…?

「親父さんは?」

「……」

「…義母さん?」

「あ…どうしたのかな…眠くて…」

「…夕べのビールが響いちゃいましたね。」

俺は華音に白湯を、義母さんにお茶を入れる。

「…今、陸の親父さんがここの前にいたけど、会いましたか?」

「…陸さんのお父さん…」

義母さんは、俺の顔を見てるんだが…

どうも、焦点が合ってない気がする。

「…大丈夫っすか?少し横になった方が…」

そう言って、畳のスペースに座布団を並べると。

「…ううん。大丈夫。娘の晴れの日だもん…大丈夫!!」

義母さんはそう言って立ち上がって。

「あたし、頑張る!!」

天井に向かって…大きな声で言った。

…ほんとに大丈夫か?

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