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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/08 18:55:15

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「おまえら、早く来すぎじゃねーか?」

俺の控室に入って来た光史とセンに言うと。

「なんか緊張しちゃってさ。」

センがそわそわしながら言った。

「緊張?なんで。」

「だってさ…知花の時も光史の時も、ほぼ身内みたいなラインナップだったけどさ…」

「今日は、どこそこのお偉いさん達がババーンと並んでるんだぜ?」

センと光史は顔を見合わせて『な』なんて言ってる。

…確かに…

ほぼ身内みたいなラインナップっていうのは、ビートランドの面々って事で…

知花と神さんの時も、光史と瑠歌ちゃんの時も…

まるで職場の集まりのような顔ぶれだったが…

今日は、もろに違う。

まずは、桐生院の親父さんの関係者が…

「アメリカにも支社があるのは聞いてたけどさ…超有名な映画会社じゃん。」

センが席表を開いて言った。

その辺は俺も…席表を作る段階になって知った。

「…そう考えると、知花は相当なお嬢さんだったって事だよな…」

光史が窓の外を眺めながら言う。

「まあ、そうなるな。」

「よくバンドのボーカリストになんてならせてくれたよな…親父さん。」

「そこは本当に感謝だ。」

三人でそんな会話をしていると…

「逆玉君、調子はどうかね…って、もう来てたの?」

ノックもせずに、聖子とまこが入って来て、センと光史を見て笑った。

「俺らの余興、やっぱなしとか…」

センが目を細めて言う。

「何言ってんだよ。楽しみにしてんだから、きっちりやってくれよ?」

「じゃ、陸が泣くかどうか賭けるか。」

光史がそう言って立ち上がると。

「泣く。」

「絶対泣く。」

「泣くね。」

「泣くと思うー。」

四人は声を揃えて言った。

「……賭けんなんねーな。」

実際、俺は涙もろい。

…センほどじゃないが。

そんなわけで、光史の時とは違って俺の泣く賭けは無くなった。

光史の時は、あんなサプライズで思いがけず光史が泣いて。

泣く方に賭けてたまこと知花には、俺とセンと聖子から食堂で一番高いラララパフェをご馳走した。


間もなくして親父が来て。

みんなは親父と挨拶を交わして…部屋を出て行った。

それから、織と環も来て…おふくろも来た。

「海は?」

「泉が泣いたら迷惑だから、ガーデンパーティーだけにするって。」

織が首をすくめた。

甥っ子の海は、本当に面倒見がいい。

そんなの気にせず来ればいいものを…

「それより…何か事件があったんじゃ?」

俺が遠慮がちに言うと。

「万里達が行ってますから、ご心配なく。」

環が普段通り…落ち着いた様子で言った。

…そうか。

万里と沙耶は現場に行ってしまったかー…

あの二人とは、15歳からとは言え…家族みたいに育った。

色々戸惑った俺と織に、すげー優しく接してくれて…

だから、こんな日は…一緒に居て欲しかったな…

…とは言っても、これが二階堂だ。

仕方ない。


「さ、そろそろじゃない?」

織に上から下までジロジロと見られて。

「うん。これなら恥ずかしくない。」

笑われた。

「恥ずかしくないって、なんで笑うんだよ。」

「だって、一時期は破れたジーンズとかさあ…」

「ファッションだっつーの。」

「挨拶で噛むなよ。」

「…何回も練習した。」

「お嫁さんを置いて歩かないようにね。」

「分かってるって。」

まったく…うちの家族ときたら…

「…坊ちゃん。」

義兄になった環は、今も俺を『坊ちゃん』と呼ぶ。

「あ?」

環を振り返ると。

「…おめでとうございます。万里と沙耶の分まで、しっかり見届けさせていただきます。」

そう言って環は…

「…撮らなくていい!!」

片手に持ったビデオカメラを見せた。

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