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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/08 17:02:35

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「あたし…最近、すごく寂しがり屋になった…って思ってたけど…それって…本当は昔からそうで…」

「…麗…」

おばあちゃまが、あたしの手を取る。

「昔から寂しがり屋だったけど…平気なフリしてたのに…今は…平気なフリ…出来ないの…」


前は、父さんと、おばあちゃまと、誓と四人で。

たまに帰って来る姉さんを敵対視して。

狭苦しい自分に気付いていながら…自分ではどうしようもなかった。


なのに今は…

姉さんがいて、義兄さんもいて、ノン君とサクちゃんと華月もいて…

お母さんが来て、聖が生まれて…

家族が増えて…とても賑やかになった桐生院家。

自然と…あたしは笑顔が増えた。

言葉も増えた。

素直にも…なる事が増えた。

だから…


「…やっぱりお嫁に行きたくない…なんて、言わないでおくれよ?」

おばあちゃまが、うつむいたあたしの頭を撫でる。

「私だって…麗がお嫁に行くのは、嬉しい反面寂しい……でも、お嫁に行ったから家族じゃなくなるわけではないし…何の心配も、要らないんだよ。」

「…おばあちゃま…」

おばあちゃまに抱きついて泣いてしまった。

「おやおや…どうしたのかね…」

おばあちゃまも涙声。

そう言いながら、あたしの背中をポンポンってしてくれてると…

「うややちゃん!!どーしたのっ!!」

ノン君が走って来て…

「なに!?なにかっ、いたいの!?」

あたしの顔を覗き込んで。

「ないてゆのー!?」

大事件みたいな顔をして…あたしの顔を…

「こらっ、ノン君。ダメですよ。」

間一髪、おばあちゃまがノン君の手を取った。

…危ない。

渾身の一撃を頬にもらう所だった…

「泣いてる人の頬っぺたパチンしたらダメって、父さんと母さんに怒られたでしょう?」

おばあちゃまがノン君に説教してる…珍しいな。

「パチンしてないよ?なくの、かあいしょうだから、よしよししてたのよ?」

「よしよしは、こうするの。」

おばあちゃまはそう言って、ノン君の頬を触った。

「でも、ノン君はいつもどうやってる?ここに、パチンってやってるでしょう?」

続けて…少し軽めに、頬をパチンと叩いた。

「はっ……」

叩かれたノン君は、少し驚いた顔をして…

泣くのかなと思ったけど、泣かなくて。

「しゃく~…」

走って、サクちゃんの元へ行った。


「…お茶にしましょうかね。」

おばあちゃまが立ち上がった。

「…うん。」

あたしも…アルバムを持って立ち上がる。

「それ、さくらが見たいって言ってたから、大部屋に持って行ってやりなさい。」

もう何度も見たはずなのに…

何言ってるんだろ。

「…分かった。」

アルバムを持って大部屋に行くと、ノン君とサクちゃんが手を繋いであたしの前に立って。

「うややちゃん、いままで、パチンしてごめんね。」

って…頬を優しく撫でてくれた。

「…もう…」

それが可愛くて…嬉し過ぎて…二人を抱きしめて泣いてしまうと。

「ああーん!!うややちゃんがなくー!!」

二人も…つられて泣き始めてしまった。

そんなあたし達を、母さんは優しい顔で見てて。

「明日が楽しみね。」

ノン君とサクちゃんの頭を撫でたついでに…あたしの頭を撫でて。

「明日は、たくさん笑えるといいね。」

ギュッと…抱きしめてくれた。

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