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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/08 15:21:53

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あたしの荷物(最小限)を陸さんのマンションに引っ越して…

もう、準備も特にない。

あとは…明日の本番を待つだけ。

陸さんには、しっかり寝ろよって言われて…

一度マンションに行ったけど、二時には帰らされた。


「……」

まだ…実感ないなあ…

そう思いながら、庭から家を見上げる。

二ヶ月前に19歳になったばかり。

まさか…自分が二十歳までに、結婚するなんて思わなかった。

…その前に…

誓以外に好きな人が出来るなんて…


ゆっくりと庭を歩きながら、明日の段取りを頭の中に思い浮かべる。

まずは…面倒な桐生院関係者を集めた披露宴…

あたしは友達いないから、親戚と父さんの会社関係者だけ。

陸さんの方からも…ご両親と織さんご夫婦。

あとは…バンドの皆さんと…高原さん。

できる事なら、バンドの人と家族と高原さんだけでやりたかったな。


うちの親戚は…早くに亡くなったおじいちゃまの従兄弟一族。

かろうじて華道で繋がってるけど、昔ほど付き合わなくなったらしい。

あたしだって、席表の名前見てもピンと来なかった。


それが終わったら…

二階堂家側の、パーティー。

陸さんの実家のお庭での、ガーデンパーティー…

緊張しちゃうな…


「ただいま…」

小さくそう言って、玄関を入る。

廊下を歩いて大部屋にたどり着くと…母さんとノン君とサクちゃんがいた。

聖と華月は、座布団で寝てる。


「あした、うややちゃん、おひめしゃまになるの?」

サクちゃんの可愛い言葉に、廊下に立ったまま…笑顔になった。

「そうよ?麗ちゃん、とびっきり可愛いお姫様になるのよ?」

「おーじしゃまは、いくちゃん?」

「そう。陸ちゃん。」

…おばあちゃまの姿が見えなくて、少し周りを見渡して…

あたしは、中の間に。

すると、おばあちゃまはそこで…アルバムを開いてた。

「…おばあちゃま。」

声をかけると。

「あ…ああ、麗。もう帰ったのかい。」

おばあちゃまはメガネを外して。

「よく泣く麗と誓の子育ては大変だ…ってあの頃思ったけど…今となってはあっと言う間だねと思って…」

アルバムを指差した。

そこには、大泣きしてる…あたしと誓の写真。

「本当、よく泣く子でしたよ…二人とも…」

あたしは…おばあちゃまの隣に座って、ゆっくりとアルバムをめくる。

「…おばあちゃま。」

「なんだい?」

「…可愛くない子で…ごめんね…」

アルバムに目を落としたままそう言うと。

「麗が可愛くないわけがないでしょう。」

おばあちゃまは、大げさにそう言って笑った。

「…誓や姉さんみたいに…友達を連れて来る事もなくて…学校での話も…全然しなくて…」

「……」

「…本当、あたしって…つまんない孫だったよね…」

今になって…後悔した。

どうしてあたし…もっと…バカしなかったんだろう。

何もしなくても、可愛いってチヤホヤされてたから…

クラスの女子達が、可愛くなるために努力してるのを、バカにした目で見てた。

どうして…一緒になって、オシャレを楽しめなかったんだろう。

学校帰りに、ダリアでパフェ食べる事にも、憧れてたクセに…

一度も、誰からの誘いにも乗らなかったあたしには…

高校三年の時には、一度も声がかからなかった。


本当は寂しがり屋なのに、平気な顔してた。

一人でも何てことないって顔して。

背筋を伸ばして…真っ直ぐ前を見てた。

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