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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/07 21:36:53

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カギっ子だった俺は、急いで家に帰ると、まずは服を着替えて…汚れた服を自分で洗濯した。

それを、自分の部屋に干した。

怪我らしい怪我はなく、少しの擦り傷は…何とか誤魔化せると確信した。

だが…問題はギターだ。

どうしよう…


しかし、その夜。

珍しく親父が飲んで帰って、俺に。

「健太郎~ごめんな~。今夜は、ちょっと聴いてやれね~や…」

そう言って、すぐに寝た!!

神様って本当にいる!!

そう思った俺は…

翌日、学校が終わってすぐ、音楽屋に駆け込んだ。

すると…

「はい。どうぞ。」

昨日の店員さんが、眠そうな顔でギターを渡してくれた。

「…直ったんですか?」

「昨日のあの人のおかげだよ。」

「…修理代…」

「あの人に頼まれちゃ、修理代なんて取れないよ。」

「有名人…?」

「有名人だよー。君は知らないかな?Deep Redのマノンってね。」

そう言って、店員さんは、壁に貼ってあるポスターを指差した。

「えっ!?」


俺は、それから…色々考えた。

親父に、マノンに助けてもらった…って言うべきか?

だけど、そうすると…絡まれた事も話さなきゃいけなくなるし…

ギター教室もやめたくない。

話したら…修理代も…きっと、親父が払うって言い張る…


だから、俺は…親父に話さない事に決めた。

その代わり、必死でギターを練習した。

そして…店員さんに、無理を言ってマノンさんの家を教えてもらった。

御礼だけでも…どうしても言いたかったからだ。


だけど…

どうしても、上手く喋る自信がなくて…

ビデオレターを撮る事にした。


ビデオは、俺のギターの先生に頼んで撮ってもらった。

先生は、マノンに助けてもらったなんて、嘘だろ?って笑ってたけど。

それでも、協力してくれた。

俺は、思いの丈をビデオに入れた。

ギターも…弾いた。

そして、そのビデオを持って…朝霧邸へ。


たぶん、いないだろうなあ…って思ったら、やっぱり本人は不在。

その代わり、すごく綺麗な女の人が出て来た。

奥さんだ。

緊張した。

「どちらさま?光史のお友達?」

「あっ…あの、僕、朝霧真音さんに助けてもらいました!!ありがとうございました!!」

俺は…深々と頭を下げて…

何のこと?と聞かれて…しどろもどろに説明した…ような気もするが、もうそこはよく覚えていない。

ただ、せっかく撮ったビデオレターを…

「こっこここれ!!」

朝霧さんに渡してください。と言わずに…渡した。

それだけは…覚えてる。


ビデオレターを渡した数日後、学校から帰って郵便受けを開けると、俺に手紙が届いていた。

奥さんからだった。


『健太郎君、素敵なビデオをありがとう』

綺麗な封筒に、一枚の写真が入っていた。

Deep Redのマノンがギターを弾いている写真だった。

…カッコいい…

当然、彼は俺のヒーローになった。


それからは…ガムシャラにギターの練習をした。

ビートランドに入って、朝霧さんに…お礼を言うんだ。

絶対、絶対デビューする‼︎


もちろん、勉強も頑張った。

せっかく助けてもらったのに、恥ずかしい男のままでいたくなかったからだ。

だって、あの時朝霧さんは…


デビューが決まった時、両親はすごく喜んだ。

安定してない職業だぜ?って言っても。

おまえが続けて来た事が、花開いた事が嬉しい、と。

…俺、両親の子供で良かったなあ…って、本当感謝した。

だけど、SAYSは努力の甲斐もなく解散…

でも、ずっと音楽を続けてる俺の元に…

一ヶ月前…

「里中。」

スタジオで一人、ボイトレをしていると。

突然…

「たっ…高原さん!!おはようございます!!」

朝霧さん同様、俺の憧れの人であり、ここビートランドの会長である高原夏希さんが現れた。

「おはよう。今…ちょっといいか?」

「はっ…はいっ…」

お…俺…何かしたか?

クビ…とかじゃねーよな…?

色んな不安がよぎる中、高原さんは…

「おまえ、ガキの頃、マノンに助けられてビデオレターを送ったか?」

「…えっ?」

すごく、思いがけない事を言われた。

「どうだ?」

「お…送りました…」

「そうか…」

「…それが…何か…?」

高原さんは一度スタジオを出て行って、それからジュースを二本手にして戻って来て。

「ほら。」

一本を俺に…

「あ…ありがとうございます!!」

うわー!!

高原さんにジュースもらったぜ!!

持って帰って家宝にしたい!!

高原さんは椅子を出して座ると。

「あのビデオ、申し訳ないが…見させてもらった。」

そう言って、ジュースを開けた。

「…えっ?」

「それと…あのビデオ、マノンは見てないそうだ。」

「…え…ええっ!?」

色んな驚きで、変な声が出てしまった。

高原さんは表情を変えることなく椅子をもう一つ出して、ポンポンと…

俺はそれに恐縮しながら…座った。

「色々あって、嫁さんがずっと保管していたらしい。」

「そ…そうなんですか…」

お礼の手紙をくれた、あの奥さんが…

「宝物だ、って言ってた。」

「…あれが…ですか…」

「ああ。自分だけの宝物だ、って。」

「……」

そう言われると…すごく恥ずかしくなった。

11歳の俺、どんな事話したっけか?

「そこで、一つ頼みがある。」

「えっ?」

「今度、おまえのあの映像を…マノンの息子である光史の結婚式で流したい。」

「……えええええっ!?」

「その後で、今のおまえの告白も欲しい。」

「……」

もう…俺は口を開けっ放しで…高原さんを見つめた。

ちょ…

ちょっと…

「あ…あの…俺ー…朝霧光史とは…話した事もなくて…」

ギタリストになるはずだったのに、ドラマーになってる朝霧光史は。

年下だけど、雲の上のような存在だ。

「ああ。別にそれはいい。今から仲良くなれとも言わない。」

「…なのに、結婚式で…?」

「理由を知りたいか?」

「……」

高原さんの真剣な声に…俺は…少し悩んだ。

もしかして…

俺、何か…朝霧家に…絡んでる?

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