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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/07 19:34:47

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な…

何なんだ…これは…

目の前に広がる大スクリーンに映し出された映像に…

俺は…両手を握りしめた。

おい…やめろよ…


「光史、可愛い…」

瑠歌がそう言って笑顔になったが…俺は…

立ち上がって、会場から逃げ出したい気分になった。

『マノンは親バカだな。』

『何とでも言うてくれ。』

俺は…ずっと、親父の膝にいて…

とにかく…親父が俺を離さない…

もう、十年以上も見た事のないアルバムには、確かに…そんな写真が何枚もあった気がする。

俺は、その写真が大嫌いだった。

家族が一番だと口にしながら、親父はいつもギターを優先する。

渉が産まれる前も、そうだった。

小さな事の積み重ねがあって…

渉が産まれた、あの日。

俺の中で…親父に対する不満が爆発した。


スクリーンに一番近い親族の席では、親父がスクリーンを見たまま泣いているのが見えた。

…何泣いてんだよ…

…何なんだよ…この映像…

早く…

早く終われ…!!


そう願った所で…映像がプツリと切れた。

少し…肩の力が抜ける。

「……」

聞こえないように、小さく溜息をつくと…

『おじちゃん、この前は、僕のギターを直してくれて、ありがとうございます!!』

画面に映し出されたのは…10歳ぐらいの男の子だった。

『僕は、いつか、おじちゃんみたいなギタリストになります!!』

「…誰?」

瑠歌が、画面を見て問いかける。

「…親父が、助けた子供…だと思う。」

渉が産まれた日、親父が人助けをしていて病院に来れなかったのは知ってる。

だが…こんな映像があったなんて…


そっけなく答えると、瑠歌は俺の手を握って。

「お義父さん、ヒーローだね。」

笑顔で言った。

「……」

男の子は、直してもらったらしいギターで、たどたどしく…Deep Redの曲を少しだけ弾いて。

『僕がギタリストになったら、会いに行きます‼︎』

屈託のない笑顔で、そう言った……


……この顔…


「あれって…」

さすがに、何人か気が付いたのか。

センと陸も顔を見合わせて、画面を指差している。


『本日は、おめでとうございます。』

男の子の映像が切り替わって…

そこに映し出されたのは…

『元SAYSの、里中健太郎です。』

さ…

「里中ーーーー!?」

大きな声を出して驚いて立ち上がったのは…

親父だった。

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