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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/07 17:55:03

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光史と瑠歌の結婚披露宴で、歌を歌って欲しい。

そう言って来たのは…マノンだった。

若い二人の宴に、俺達がしゃしゃり出る幕なんてないだろう。と答えたが…

マノンが提案して来て数分後、光史にも頼まれた。

『恐れ多いですが…自分へのプレゼントとして、お願いしたいです。』と。


小さな頃、俺達のリビングセッションで育った光史。

そんな光史の頼みとなると…断る理由がない。

もう、しばらく歌ってなかった俺は、スケジュールの合間をみてスタジオに入った。

…気持ちを込めようとすると、何度も詰まった。

誰にも見られていないのに…緊張した。


さくらのために書いた曲。

だが今ではもう…ただのラブソングにしか過ぎない。

それでも、気持ちを込めようとすると…あのトレーラーハウスの日々が蘇って…切なくなった。

しっかりしろ。と言い聞かせては…マイクを持ち直した。


そんな、ささやかな特訓を重ねて迎えた…今日。

俺は…心を込めて、歌った。

光史と瑠歌が、どうか…永遠に幸せであるように。

途中、何度も泣きそうになった。

…ははっ。

本当に、歳だな。


F'sに加入した今、マノンのギターテクニックはさらに上向いた。

千里や圭司と新曲を作って、レコーディングをしてライヴをする。

それが、どんなに刺激か…俺には分かる。

それによって、マノン…だけじゃない。

ナオトも。

二人は、くすぶっていた才能を開花させ、さらにまたつぼみを作り続けている。

…全く、楽しみな奴らだ。


そんなマノンが引くギターソロと、それに絡むナオトのピアノは…かなり胸に響いた。

そんな奴らの演奏に恥じないよう、ちゃんと歌わなくてはと気合が入る。


着飾った瑠歌は、涙で目を赤くして。

それを…光史が少し笑いながらハンカチで目元を拭う。

どうか…

どうか、光史の心の中にある塊が。

今日、この後のサプライズで…とける事を祈りたい。


『本当に、おめでとう。』

歌い終わってそう言うと、光史と瑠歌は立ち上がって拍手してくれた。

二人だけでなく…会場中が、立ち上がっての拍手。

見ると、SHE'S-HE'Sのテーブルは、全員が泣いている。

…おいおい。

光史だって泣いてないのに。


「ナッキー、さすがだな。グッと来たぜ。」

席に戻りながら、ナオトが言った。

「あ?俺はおまえの鍵盤に泣きそうになったけどな。」

「いやー…マノンに引っ張られた。あいつのソロ、今までで一番だったな。」

「…確かに。」

マノンは親族の席に戻って、鈴亜と渉とハイタッチをしていた。

その隣で、るーちゃんは…涙。

…さあ、サプライズだ。


『それでは、これから、新郎新婦様による花束贈呈です……が。』

席を立ちかけた光史と瑠歌が、ん?と司会を見る。

『サプライズ映像が…用意されている…と言う事ですので…皆様、ご覧ください。』

会場中が、ざわついた。

そりゃそうだ。

これを知ってるのは、俺とるーちゃんだけだ。

司会者も、今スタッフから原稿を渡されて、戸惑いながら読み上げたぐらいだ。


この会場にいるほとんどの人物が…

マノンと光史の少しの険悪さに気付いてる。

それが…今日。

なくなる事を、信じて止まない。

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