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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/07 15:49:17

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最初の入場の時は、和装って事もあって…

光史のお父さんがソロで出したCDの中から、和の曲を流してもらった。

あたしがそれを選んだ時、光史は『え』って目を細めたけど。

あたしは、ギターで和を表現できるなんてすごい!!って感動した。

お義母さんも喜んでくれたし、あたし的には、大満足。

そして…二曲目は。

「わあ…気持ちいい…」

扉が開いた瞬間、つい…つぶやいてしまった。

ピアノとアコースティックギターとベースに合わせて、ボーカルの知花さんが歌ってくれてるのは…

あたしがSHE'S-HE'Sの中で一番好きな、恋の歌。

From the heartのショートバージョン。

本当これ…あたしの気持ちそのまま。

生演奏で入場って、贅沢!!

だけど、隣にいる光史は…うずうずしてるみたい。

ドラム叩きたいのかな?

ごめんね。


あたしと光史が席に着く頃、歌も終わった。

そしてそのままSHE'S-HE'Sの余興って事で…何か生演奏なのかな?って思ってたんだけど…

『瑠歌ちゃんのリクエストに応えたら、こうなりました。』

聖子さんがマイクを持ってそう言うと、会場が暗くなって…

いつの間にか設置されてた、大きなスクリーンに映像が映し出された。

「ぶっ…」

早速飲まされてたビールを噴き出す光史。

スクリーンには、光史がドラムを叩いてる姿が…

『瑠歌ちゃん、ごめんね~。うちが顔出ししないバンドなばかりに、光史がドラム叩く姿って見る事ないもんね。』

きゃ~!!!!!!!!

もう、あたし…

心の中で大絶叫!!

カッコいい!!

光史、カッコいいーーーー!!!!!

「お…おまえ、何リクエストしてんだ…」

あたしが両手で頬を押さえてると、光史が狼狽えた様子で言った。

でも、あたしの視線はスクリーンに釘付け!!

スタジオで撮影されたらしいその映像は、SHE'S-HE'Sの練習風景らしい…

固定カメラで前後左右からの光史が撮られてて、色んな角度の光史が映し出される。

あーーー!!最高!!

一曲丸ごと光史だらけ!!

あたしは大満足だったけど…隣の光史はグッタリ。

『お幸せにね~。』

満面の笑みの聖子さんに。

「おまえら…余興サボりやがって…」

光史は低い声でぼやいた。


聖子さんは…光史の幼馴染。

家が真向いで、黒くて長い髪の毛がすごく印象的な…カッコいい女の人。

すごく、真っ直ぐに目を見て話す人で…最初は少し苦手だって思った。

だけど…あたしが朝霧で暮らし始めて、毎日のように声をかけてくれて。

「これ、内緒ね。」

なんて言いながら、光史がソフトクリーム食べてる写真をくれたり…

酔っ払って大口開けて笑ってる写真くれたり…

気が付いたら、あたしは聖子さんからもらったお宝写真にも、随分励まされてた。

いつか、あたしの前でも…こんな顔して欲しいなって、心底思う。

うん。

絶対、こんな顔させてやる。

だって…

あたし達、夫婦になったんだもん…。


それから、ちゃんと食べれるケーキを二人でカットして。

少し食べたり飲んだりって時間があって…

お祝いの言葉を、各テーブルからもらったりして…

何だか、すごくホンワカした、あったかい披露宴だなあって感激してると…あたしのお色直しの時間が来た。

うーん。

たくさん着替えられて嬉しいけど、ここにいたいなあ…なんて思っちゃった。

だけど、お義母さんの希望もあったから…


最初の衣装選びは光史と二人で来た。

写真を撮って持って帰って、朝霧家のみんなに見せると、鈴亜ちゃんとお義母さんの反応は…すごかった。

「わー!!綺麗!!」

どの写真を見ても、そう言ってくれて…

嬉しかったけど、照れ臭かった。

モデルなんてしてると…綺麗で当たり前みたいな感じで。

カメラ構えられて、いいねー、綺麗だねー、って。

だから…そんな風に、大声あげて言われると、ちょっと…本当かなって、嬉しかった。

写真でこれって決めて、正式に申込みに行ったのは、あたしとお義母さんだった。

光史は急な取材が入って、式場へ行く日程を変えるか?って言ってくれたけど…

お義母さんがワクワクしてたし…そのまま二人で行った。


「ねえ、瑠歌ちゃん。」

「はい。」

「光史は、優しい?」

「…え?」

すごく、意外な事を聞かれた気がした。

そんな事…お義母さんの方が良く知ってるんじゃ?

「…あ、優しいです…」

あたしが驚いたような顔のまま答えると、お義母さんは首をすくめて。

「ごめんね。変な事聞いて。」

まるで、友達にするみたいに…ペロッと舌を出した。

「母親のあたしが言うのも変だけど、光史はすごく優しい子なの。」

少し、はにかんで言うお義母さんを、可愛い人だなって思った。

「だけど…厳しい所もあってね?」

「厳しい所…」

「うん。だから、瑠歌ちゃんが嫌な想いするような事があったら、すぐに言って。」

お義母さんは、笑ってるんだけど…どこか寂しそうな笑顔だった。


「もう…何着ても素敵です!!」

介添え人さん達に褒めちぎられて、嬉しいけど恥ずかしい。

あたしはカクテルドレスとは全くタイプの違うマーメイドスタイルのウエディングドレスを着て、扉の前に立った。

髪の毛はトップで束ねた。

小さなティアラは、昔憧れた童話のお姫様の気分にしてくれた。

「扉の向こうで新郎様がお待ちです。開いたら、隣に並んで一礼してお進みください。」

係の人の説明を聞いて、あたしは背筋を伸ばす。

この入場曲は…父親である丹野廉の曲を選んだ。

母さんに…捧げたと思いたい、ラブソング。

「どうぞ。」

合図と共に扉が開いて、父さんの歌声が響いた。

ライトが眩しくて目を細めたけど…そこで手を出してくれてる光史が…少し笑顔で嬉しかった。

「…お待たせ。」

小さくつぶやくと。

「…何着ても…だな。」

よく聞き取れなくて。

「え?」

顔を近付ける。

「…もう言わない。」

「もうっ…ずるい…」

腕を組むはずだったけど…光史が手を繋いでくれたから、そのままでいた。

あたしは、腕を組むより手を繋ぐ方が好き。


親族のテーブルに近付くと、お義母さんがすごく…泣いてた。

それを見たら、あたしももらいそうになったけど…我慢した。


あともう少しで、この夢のような時間も終わっちゃうんだなあ…

そう思うと、少し寂しい気もしたけど…

ギュッと握られた手は…これからもずっと一緒なんだよね…?

って。

あたしは、少しずつだけど…

初めて味わう気持ちを、噛みしめた。


…これが、幸せ…なのかな。

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コメント3

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  1. ヒカリさん(99歳)ID:6595679・09/07

    サンディさん
    ありがとうございます😊
    サンディさんもドラマーなのですね!
    私はクラスの男子と洋楽HR/HMを始めて、後にジャパメタに走り親に嫌がられてました( ´Д` )
    今もたまに企画バンドで叩いたりします^^
    さすがにメタルはキツイですが…^^;

    試練を山ほど与えてますが(与え過ぎ?)、基本ハッピーエンドに向けて頑張ってます✨
    毎日ありがとうございます!

  2. すーさん(31歳)ID:6595646・09/07

    えーっ嬉しいっ!!私も軽音部でドラムやってました!!←めっちゃ下手くそですけど!
    どのお話にもそれぞれの愛があふれていて、毎話切なくなったりきゅんきゅんしたり♡
    光史くん泣くのかな♡楽しみです♡( ´艸`)

  3. ヒカリさん(99歳)ID:6595641・09/07

    光史がドラム叩いてる映像は、浜田麻里さんの「Mirage」って曲を聴きながら妄想しました。
    あの曲のドラムが大好きなんです(*´∀`*)←昔ドラマーでした

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