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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/07 14:24:34

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そろそろ時間だと言われて、メンバーが会場に入って行った。

俺は一人、ポツンとソファーに座ったまま瑠歌を待った。


…結婚か。

瑠歌に両親が居ない事、唯一の身寄りである丹野方の祖父母は高齢で共に施設に入った事もあり、うちでの同居が決定。

そこから当然のように…あっと言う間に結婚が決まった。

そもそも、俺はプロポーズなんて…してないんだよな。

飯の最中に、親父が言った『で、いつ式挙げる?』って言葉から…

なぜか、トントン拍子に話が…

ま、うちの親は早婚だったし…

これが自然と思ったんだろうな。


「新郎様、お待たせいたしました。」

呼ばれて振り返ると、介添え人がいた。

「ああ…時間ですね。」

立ち上がって、袴の裾を軽く叩く。

入り口に向かおうと歩くと…

「お待たせ。」

瑠歌が、隣に並んだ。

「……あれ、何だっけ…やめたのか?」

頭を指差して聞く。

確か…色打掛の時は、何とか高島田…

やたら重そうなカツラを…

「あれも良かったけど、お義母さんともう一度見に来て、地毛で結ってもらう事にしたの。」

「……」

「言わなくてごめんね。」

そう言って、瑠歌がペロリと舌を出した。

…いや。

別に、全然かまわない。

無言になったのは…

本当、めちゃくちゃ綺麗だなと思って見惚れてただけだ。

地毛で結われた髪の毛に、大きな赤い花。

着物なのに、ドレスに見間違えてしまうような着こなし方。

…色打掛…だよな?

「新婦様がアレンジされて、このようになったんです。斬新ですが、とてもお似合いです。」

介添え人がそう言って、なるほど…と、俺も上から下まで…眺めた。

こいつ…本当にモデルなんだな。

って、今更ながら…

で、ついでに…ドレスも楽しみになって来た。

俺の嫁になる女、こんなに綺麗なんだぜ。って。

すっげー自慢だなって思った。

…言わないけどな。


「では、扉を開けます。」

そう言われると、少し緊張した。

当初、俺が前で瑠歌は後ろをゆっくり歩く設定だったが、腕を組んで並んで歩く事になった。

BGMは瑠歌が選んだ…親父のソロアルバムからのインスト。

少し…背筋を伸ばす。

俺、瑠歌の隣で地味過ぎだな。なんて、少し笑えた。

「光史、笑って。」

隣で、瑠歌がそう言って。

「…笑えるかよ。」

俺はそう言いながら…少し笑った。

扉が開いて、一斉にみんなの視線がこっちに集まった。

そして予想以上に…瑠歌を見て、歓声が上がった。

「うわあ…綺麗!!」

「さすが…」

「えー?着物だよね?カッコいい!!」

瑠歌を見ると…満面の笑み。

…さすがだな。

そのまま、席に向かって歩く。

遠くないはずなのに、その距離が永遠に続くように感じられた。

「おめでとう!!」

「瑠歌、きれいやで!!」

今日は、FACEのメンバーも列席。

瑠歌は、複数いる父親みたいな存在から声をかけられて、ほんのり目を潤ませた。


やっと席にたどり着いて…

簡単に、俺と瑠歌の紹介があった後、ナオトさんの音頭で乾杯があって。

いつもの事ではあるが…

「おめでとう。永遠に仲良くしてくれ。以上。」

高原さんの、簡潔過ぎる祝辞。

もっと喋れーって野次に、会場は笑いに包まれた。


その後、歓談と…何人かにお祝いのメッセージをもらって…

お色直し。

俺はずっとこのままでも良かったんだが…

新郎様、もっとやる気を出しましょうよ!!と、衣装選びの時、担当の人に言われて…

まあ、いいか…と。


俺はさておき、瑠歌のドレス姿は楽しみではあった。

ちなみに、俺はこの着替えで終わるが。

瑠歌は、このドレスの後がウエディングドレスらしい。

瑠歌はそれだけでいいと言い張ったが、母さんが譲らなかった。

せっかくだから、と。

まあ…確かに。


「あ、やっぱりこっちの方がしっくりくるね。」

相変わらず扉の前で先に待ってた俺を見て、瑠歌が笑った。

…袴はそんなに似合わなかったらしい。

センは、お世辞だったんだな?

そういう瑠歌は…

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