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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/06 23:30:36

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「お義母さん。」

「……」

「お義母さん。」

「……」

「…さくらさん。」

「…はっ…えっ?あ、何?何々?」

何度呼びかけても答えなかったお義母さんは。

俺が名前を呼んでようやく…自分が呼ばれている事に気付いたらしい。


「どうしたんすか。ボケーっとして。」

自分の前に寝かされていたであろう聖が、暴れまくって座布団から離れた位置にいる事、気付いてんのか?

俺が聖を座布団に戻すと。

「あっ、いつの間に。」

おいおい…大丈夫かよ…


「準備で疲れてるんすか?」

陸が、見合い相手から麗を奪いに来て。

あっと言う間に二人の結婚が決まった。

先日は結納もキッチリ済ませて、最近は式に向けての準備で大忙しな我が家。

「…準備?」

「…結婚式の。」

「…ああ!!」

「……」

ここ何週間か…

お義母さんの様子がおかしい。

それは、誰もが気付いている。

話していても突然…

「…あれ?あたし…何話してたっけ…」

なんて言ったり…

「あたし、何か大事な事を忘れてるような気がするんだけど…」

って、考え込んで…そのまま寝たり。

親父さんが心配して、病院に連れて行ったが…

「産後の疲れだと言われた。確かに…ずっと寝た切りの生活を何年もしていたさくらが、出産なんて大仕事をしてのけたんだ。仕方ないだろう…」

親父さんは、お義母さん以外の全員を大部屋に集めて、神妙な顔でそう言った。

「おまけに…あたしの結婚で忙しくさせてるしね…」

麗が小さくなりながら言ったが。

「そんなの…母さん、麗の結婚は本当に喜んでるから…母さんのためにも、素敵な式にしなくちゃね。」

知花がそう言うと。

「…うん。頑張る。」

麗は…素直にそう言って笑った。

結婚が決まって以来…素直で可愛いぞ。

男の力は偉大なもんだ…。


確かに、聖を出産したというのは喜びでもありストレスになる事も多いはず。

何しろうちには…

聖と同じ日に産まれた華月と、その二人に興味津々で何をしでかすか分からない、もうすぐ4歳になる華音と咲華もいる。

そいつらの面倒を見てくれてた麗が、嫁に出るのは…

ぶっちゃけ、俺と知花にとっても痛手だ。

あ、ばーさんにも。

とにかく、桐生院家一致団結して、お義母さんのフォローをするという事になった。


「…何してんすか?」

お義母さんがゆっくりと動かしている手元を見て問いかける。

「…え?」

「そこ、汚れてるとか?」

「え?ううん…あたし、何かしてた?」

お義母さんは、キョトンとした顔で俺を見る。

そんな表情は、以前と何も変わらねーんだけどな…

俺は、お義母さんが無表情で…だが、一定のリズムで指をテーブルにこすり付けてるのを見たのは…

これで三度目だ。

…何か…

心の奥底にある何かの…信号か…?

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