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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/05 23:02:58

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「違う。」

そこに、大部屋の入り口辺りから…違う声が入って来た。

「おばあちゃまじゃないわ…あたしよ。」

その声は…麗だった。

「麗…」

千里さん、さほど驚きもしてない。

…予想してたの⁉︎


「何を言うんだい。おまえは…甲斐甲斐しく容子さんの看病を…」

「許せなかったの。」

「…麗…黙りなさい。」

「あたしの事、庇わなくていい。おばあちゃま、知ってたんでしょ?だから、急に長井さんと中岡さんを辞めさせたんだよね。」

「黙りなさい!!」

「……」

大部屋が、一瞬静まり返った。

だけど…

「…いつも誰かを恨んでばかりの母さんが…嫌いだった。」

麗は、小さくつぶやいた。

「麗だけは、味方よね?って。みんな家族なのに…味方って何なの?あたし…窮屈で窮屈で…」

「…麗…やめてちょうだい…」

「おばあちゃま、あたしの事なんて…庇わなくていい。ねえ、義兄さん。知ってどうするつもりだったの?あたしの事、警察に連れて行くの?」

「……」

「何も知らないクセに…知ろうとしないでよ!!」

麗の叫び声を聞いて、あたしは…出て行こうとしたけど…

あたしより先に、出て行った人物がいた。


「麗じゃないよ。」

「…え…」

「誓…」

「…誓?」

さすがに今度は…千里さんも眉をしかめたような声。


「麗が煎じてお茶に入れてたのは、トリカブトじゃないよ。」

「…どういう…事…?」

誓は…ゆっくりと大部屋に入って行ったみたいで…

あたしは、位置をずらして…大部屋の中の会話がもっと聞こえる場所に移動した。


「僕は…麗が不憫だった。」

「……」

「母さん、いつも酷かったよね。麗だけに…色んな事背負わせてさ。」

「誓…」

「本当は…僕も力になってやれたら良かったのに…母さんは僕の事も敵みたいな顔し始めたから…麗の事も、助ける事が出来なかった。」

みんな…誓の言葉を黙って聞いてる。

千里さんは、もう…一言も発さない。


「ある日、見ちゃったんだ。麗が…ビニールハウスに入ってくとこ。」

「……」

麗の…すすり泣く声が聞こえる。

「限界…だったんだよね?」

「…ふ…っ…うっ…」

「…トリカブトだと…絶対すぐにバレちゃうと思って…」

「…誓?おまえ…」

「…僕が…母さんを殺したんだよ。」

足元が…揺れた気がした。

誓が…容子さんを…?


「夾竹桃の花を、少しずつ…本当に少しずつ…」

淡々とした、誓の声…


おばあちゃまは…麗が殺したと思って庇って…

麗は…ずっと自分が殺したと思ってて…

だけど…

まさか…

誓が…

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