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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/05 16:57:25

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「しゃく、あかちゃんとおはなししゆー。」

いつもみたいに、サクちゃんがそう言ってあたしのお腹に耳を当てた。

もう、ほんと…知花の子供達、愛しくてたまんない!!

あたしにとっては孫なんだけど…孫なんて思えない。

知花の事も、あたしの娘って言うより、あたしと双子?なんて思えたりして。

ずっと離れてたから?

それとも、あたしに母親としての自覚がなさ過ぎるのかなあ…


知花が入院して五日。

風邪をこじらせただけ…って聞いてたけど、結構長引く入院に、子供達はもちろん…あたしまで不安になってた。

千里さんは、もういっその事産まれるまで居ればいいんじゃないっすかね。なんて言うけど…

そうなんだけど…

寂しいな…

あたしと知花の子供達は、お見舞い禁止令が出てて。

せめて…と思って、一緒に描いた絵を、千里さんに渡してもらってる。


明日はクリスマスイヴ。

知花の誕生日。

母さんの誕生日を祝いたがってた子供達は、少し残念そう…


「サクちゃん、赤ちゃん何か言ってる?」

あたしのお腹に耳を当ててるサクちゃんに問いかけると。

「いってゆよー。」

サクちゃんは、そう言って顔を上げた。

「ほんと?何て言ってる?」

あたしが笑いながら問いかけると。

「ぼく、あしたうまえゆよーって。」

「……ぼく?」

実は…

あたしも知花も…性別は聞かずにおこうって、聞いてない。

貴司さんは知りたがってたけど…抜け駆けはしないはず。

「…男の子なの?」

テーブルを拭いてた麗が遠慮がちに聞いてきた。

「あたしは聞いてないんだけど。」

「サクちゃん、赤ちゃん男の子なの?」

麗がそう問いかけると。

「うん。」

サクちゃんは、得意げに、そう言った。

「ろんもおはなししゆー。」

それまでツリーのオーナメントに夢中になってたノン君が、思い出したようにサクちゃんに並んで。

「しゃくりゃちゃんのあかちゃん、いちゅあえましゅか。」

って、あたしのお腹に問いかけて…

じっ…と、あたしのお腹に耳を当てた。

「…何か言ってる?」

「…ねんねしてゆ…」

「ふふっ。ノン君には聞こえなかったみたいね。」

麗が笑いながら、キッチンに歩いた。


「ただいま。」

大部屋の入り口で声がして、顔を上げると…千里さんがいた。

「とーしゃん!!」

「とーしゃーん!!」

ノン君とサクちゃんは跳ねるように千里さんに抱きついて。

「かーしゃん、ろんとしゃくのえ、みた?」

甘えた声でそう言った。

あ~…もう。

声だけでメロメロになっちゃう。

この子達って、ほんと天使…

「ああ。見て喜んでたぜ?絵が上手くなったなーって。」

「しゃく、もっとかくよー!?」

「ろんもー!!」

「ははっ。そりゃ喜ぶな。ああ…ツリーの前に並べ。写真撮るから。」

千里さんは二人をツリーの前で下すと、少し下がってカメラを手にした。

「さ、一番いい顔してみろ。」

千里さんにそう言われた二人は…

「わー…ダメだ…可愛すぎる…」

あたしの隣に来た麗と二人、もうとけちゃいそう。

二人は頬をくっつけて…まさに天使の笑顔。

「よし。もう一枚。」

千里さんが笑顔の二人を写真に撮るのを眺めながら、あたしは大部屋を出た。

うーん…

サクちゃんが言ったの、本当かな?

何だか…お腹が痛くなってきた。

ちょっと横になろうかな…


中の間に入って、ストーブをつける。

あー…陣痛って…どんなんだったっけ…


しばらく、静かに来る痛みを我慢しつつ…横になったり起きたりしてると…

中庭の向こう、さっきまでノン君達の写真を撮ってた千里さんが、すごく急ぎ足で出て行くのが見えた。

…何か…あったの?


大部屋に向かおうとすると…貴司さんに出くわした。

「あっ…ねえ、今千里さんが…」

あたしが貴司さんにそう言うと。

「…知花の容態が良くないらしい。」

貴司さんは…信じられない言葉を口にした。

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