ブログランキング11

いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

  • 記事数 2460
  • 読者 656
  • 昨日のアクセス数 36386

テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/05 08:08:03

  • 83
  • 0

…知花が入院した。

昨日まで、普通に元気だったのに。

今日、俺が事務所から帰った時、知花は部屋にいて。

すでに…すぐれない顔をしていた。

今まで、見た事もないような…


話せと言ったら、声が出なくなった。

過呼吸もある。

医者に連れて行くと、相当なストレスじゃないか、と。

…何があった?


結局入院する事になって…

一旦桐生院に戻ると…

「千里さん、知花が入院って…どうしたんですか。」

ばーさんが、心配そうに聞いて来た。

「…検診に行った時から寒気がしてたみたいで。」

「まあ…風邪?」

「こんな時に…っすよね。」

「それで、長くかかりそうなんですか?」

「どうでしょうね…」

俺は…知花の表情を思い出していた。

みんなに入院の事を話して来る。と言った時…

知花は、知られたくなさそうだった。

入院の事じゃなく。

『相当なストレス』の事を、だ。

…いったい…何があったんだ?


「…すいませんが、俺が付き添うので、子供達…お願いしていいっすか?」

俺がそう言うと。

「でも千里さん…お仕事はどうされるんですか。」

ばーさんは、少しオロオロした感じで言った。

「今は比較的暇なんで…知花のそばで曲作りでもします。こういう理由なら、高原さんも休みをくれるだろうし。」

俺が少し口元を緩めて言うと。

「ああ…そう…確かに、あなたについていてもらう方が、知花も安心するかもしれないし…」

ばーさんは、眉間にしわを寄せたままだが…少しホッとはしたようだった。

「姉さん、帰れないの?」

話を聞きつけた麗がやって来て。

その後ろを、華音と咲華が走って来た。

「とーしゃん、かーしゃんは?」

「…母さん、風邪ひいたから、病院で注射しなきゃいけないんだ。」

しゃがみこんで、二人の顔を見ながら言うと。

注射というワードに、二人の顔が歪んだ。

「ちうしゃ…」

「…かーしゃん…なく…?」

「泣かねーよ。でも、華音と咲華が泣いたら泣くかもしれない。」

二人の頭を撫でながら…俺が泣きそうになる。

「ろん、なかない!!」

「しゃくも!!」

「…よし。偉いぞ。」

小さく溜息をついて立ち上がって。

「じゃ、後の事頼みます。」

ばーさんと麗にそう言って、部屋で荷物をまとめると、すぐに車で病院へ向かった。

…何があったのか…

聞くのはやめようと思った。

知花が話したくなった時に、話してくれたらいいだろう…


そして…

翌日には少しずつ安定して、声も出始めていた知花だったが…

クリスマスイヴの前夜。

『桐生院さん、すぐ来て下さい。奥様が倒れられて…』

と…病院から電話があった。

その時俺は、着替えを取りに帰っていて。

華音と咲華が飾ったツリーを前に、二人の写真を撮っている所だった。

電話の向こうで聞こえる声が。

何を俺に伝えているのか…

すぐには、理解できなかった。

同じテーマの記事

コメント0

しおりをはさむ

このページのトップへ

GIRL’S TALKにログインする

Ameba新規登録(無料)はこちら

9/25 編集部Pick up!!

  1. ママ友の発言にドン引きした
  2. 子持ちが羨ましくて退職を決意
  3. 未婚なら複数交際するのはありか

人気ブログ記事ランキング

  1. 1

  2. 2

  3. 3