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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/04 21:44:33

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「なあ、ナオト。今日、ナッキーに会うたか?」

俺とマノンしかいないプライベートルーム。

二人きりなのに、マノンは声を潜めて言った。

「ああ。」

俺がそう答えると。

「…なんや気持ち悪いぐらい、機嫌えかったんやけど。」

「…そうだな。」

「なんでや思う?」

「…何だよ。おまえ、何か知ってんのかよ。」

俺が目を細めて問いかけると。

「たぶん…」

「たぶん?」

「孫やないかな。」

マノンはニヤリと笑ってそう言った。

「…孫?」

「今日、千里が連れて来てるやん。双子。」

「そうなのか?」

「あの愛くるしさ言うたら…なあ。」

「……」


確かに、千里からオフの日に子供を連れて来ていいかと聞かれた。

と言うのも、臨月の知花を少しでも休ませたいとの気持ちでだ。

だが…

ナッキーの機嫌の良さは…

違う所にある気がした。


周子さんと籍を入れてからのナッキーは、ずっと…左手の薬指に指輪をしていた。

だが、エレベーターで一緒になったナッキーは…指輪をしていなかった。

どうした?と聞こうとも思ったが…

機嫌のいいナッキーに水を差すのが嫌でやめた。

…が。

その少し後で会長室に行くと、ナッキーは指輪をしていた。

指輪をして…鼻歌まじりで書類を読んでいた。


相変わらず、何があっても俺達には話さない。

いつも事後報告。

そんなあいつに、イライラする事もあるが…

それがナッキーだからな…

仕方ない。


コンコンコン

ルームのドアがノックされて。

「はい。」

返事をすると。

「おやましましゅー。」

開いたドアから…

「おっ、サクちゃんやないか~!!」

マノンがギターを置いて、ドアに向かった。

「もうあっちこっち行って来たんか?ん?」

「しゃくね、しょくろーいって、ちゅるちゅるしたのー。」

「ちゅるちゅるしたんか~。えかったなあ~。」

マノンが、メロメロにな声を出してる。

俺は初対面だが、SHE'S-HE'Sのプロデューサーでもあるマノンは、まるで自分の孫のように可愛がっているらしい。


「すいません。ちょっと入れてもいいっすか?」

千里が申し訳なさそうな顔をして、一人を抱えたまま言った。

「入れ入れ。ええよな、ナオト。」

「あ…ああ。」

「咲華、ちゃんと挨拶しろよ。」

千里にそう言われた女の子は…

「きうーいん、しゃくかっ、えしゅ。」

俺の前に来て、そう言った。

「あっ…島沢尚斗です…」

自己紹介された俺は、つい…真面目に答えてしまった。

「だはっ!!なんやそれ!!」

「う…うるさいな。」

たぶん俺は…元々子供が苦手なんだと思う。

真斗が産まれた時はものすごく嬉しかったし、愛おしく感じたが…

どう接すりゃいいんだ。って思いが、常に頭にあった。

それは次男坊の奏斗に対しては、さらに強くあった気がする。

そんなわけで、俺の息子は二人とも…

どちらかと言うと…俺に対しては父親というより、母親の夫…みたいなイメージが強いんじゃないかと思う。

真斗に関しては…今は仕事上ライバルだしな。


…だが、息子二人で良かったのかもしれない。

娘だったら、俺はもっと接し方に悩んだかもな。

実際、マノンも最近娘の鈴亜ちゃんがどうだこうだと悩んでたし…


「…可愛いなあ。将来この子が嫁に出るなんて考えたくないだろ。」

何気なく俺がそう言うと。

「……」

「……」

千里だけじゃなく…マノンまで黙った。

「…何だよ、二人して…」

「いや、まだまだ先ですが…想像したくもありません。」

「…千里がこんなに子煩悩になるとはな…」

首をすくめて小さく笑う俺の隣に座ったマノンは…

「…どうした?おまえ。」

「うっ…うっ…嫁になんて…」

マノンは、椅子の背もたれに突っ伏して、な…泣いてる?

「おいちゃんー、らめよー。しゃく、よちよちしゅるから。」

女の子が、必死でマノンの頭に手を伸ばして、『よちよち』なんて頭を撫でる…って言うか、叩いてる。

俺としては、その光景は微笑ましくて笑えるんだが…

「おまえが笑うな!!」

なぜかマノンは、俺にキレた。


…なんでだよ!!

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